光硬化パテとエアータッチでボンネットの傷を補修【N-WGN(JH1)】

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光硬化パテで埋める

これくらいの凹みなら「うすづけパテ」でも埋められそうですが、個人的に苦手意識があります。意外と扱いが難しく、バイクのタンクを直すときに苦労しました。

そこで今回は光硬化パテを使ってみることにします。その名の通り、光(紫外線)に当てると硬化するパテです。

日光が当たらない車庫などで作業すれば、ほぼ硬化しないのでゆっくり焦らず作業ができます。屋外でも日陰であればすぐには固まらないようです。

光硬化パテとエアータッチ専用やり直しスプレー

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ソフト99(SOFT99) 99工房 補修ペイント エアータッチ専用 やり直しスプレー

すでに塗った分は「エアータッチ専用やり直しスプレー」を使って落とします。もったいないけど仕方ないですね……。削った直後の状態まで戻し、脱脂もしました。

塗料を落としたところ

光硬化パテは光を通さない保管袋に入っています。

光硬化パテ保存袋

パテのチューブとヘラのほか、800番の耐水ペーパーも付属。

光硬化パテのチューブとヘラ

チューブから直接凹みの部分にパテを塗ってヘラで伸ばします。

光硬化パテをチューブから塗っているところ

凹みや傷に押し込むようにヘラを使うのがコツとのこと。

光硬化パテをヘラで伸ばしているところ

光硬化パテをヘラで伸ばした後の様子

はみ出たパテは拭き取りました。説明書に書かれていないので、拭き取っていいのか不明ですが、固まる前なら簡単に除去できました。うすづけパテより楽ですね。ただ、光硬化パテは透明なので見えづらく、しっかり埋められているかわかりづらいのは難点。

塗り終わったら直射日光かUVライトを当てます。ただこれ、外でやると風が強い日には砂とかホコリが飛んできそうで不安です。そこでネイル用のUVライトを買おうと100円ショップを何軒か回ったのですが見つかりませんでした。店舗によっては置いているみたいですが……。

仕方ないので風が弱い時を見計らって日光に当てました。

光硬化パテを塗った場所を日光に当てている様子

硬化までの時間は晴天時の直射日光で約5~20分だそうです。季節や時間帯、気象状況によって光の強さは変わるので、念のためなるべく長めに当てたいところ。

研磨不足で失敗

光に当てて硬化したパテは若干黄色っぽくなっている気がします。また、硬化後もカチカチではなく少しだけ柔軟性がある感じです。これを付属の800番の耐水ペーパーで水研ぎします。サンディングブロックを買って使用しました。

サンディングブロックとサンドペーパー

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研磨後、脱脂をして再び重ね塗りていきましたが……。

光硬化パテ研磨後のボンネット端

なんと、くっきりパテの跡が出てしまいました。研磨不足ですね。

塗装後パテの跡が出た様子

再び研磨

またやり直しです。パテの盛り上がっている部分だけが出るようにマスキングして、800番で水研ぎをするも、一度に削れるパテの量が少なく埒が明かないので600番に変更。これだとスムーズに削れました。

パテの盛り上がりがなくなったらマスキングテープを剥がし、仕上げとして800番で周囲の塗装と一緒に研磨し均一な面にしていきます。

光硬化パテを削ったところ

指で触っても段差が感じられない程度にはツルツルになりました。一部地金の色が見えてますが、傷になっていた部分が少し出っ張っていた関係だと思います。

光硬化パテを削って均したところ

ところで、800番の耐水ペーパーは中途半端な粗さだと思っていましたが、意外と使いやすかったです。そこそこ削れるけれど一度のミスで削りすぎて失敗する危険性が低いのがいい。粗すぎず細かすぎず、素人には使いやすい番手だと思います。

サンディングブロックは買って正解でした。指だけでやるのと比べ出来栄えが雲泥の差です。削りムラがなくなります。硬めのスポンジみたいな質感で、木切れよりも柔軟性があるので曲面に沿って削れます。

細かい研磨作業は面倒だと思っていたけど、やり始めるとだんだん癖になり、ずっとこすっていたい気分になりました。少しずつ段差がなくなり平らになっていくのを指で確認するのが気持ちいい。

削りすぎないよう微妙に力の入れ方を変えるのも面白かったです。集中して研磨をしていると脳内で何かが出ているような感覚になりました。これもマインドフルネス瞑想の一種かもしれません。

また塗装

ここまでの作業で、エアータッチのガスとタッチアップペンを何本も使い切って交換しています。エアータッチの塗装面積はハガキ約1枚分と書いてあります。また、缶一本でちょうどタッチアップペン1本分をスプレーできます。

そういうわけで比較的すぐなくなりますね。ちなみにボデーペンは、2~3回塗りで約1.2m×1.2mの範囲を塗れるらしい。やはり広い範囲を塗る際はボデーペンのほうがよさそうです。値段的にもね。

また、今回塗っているのは白系統の塗料なので隠蔽力が低いです。下地を隠すために何度も重ね塗りする必要があるので消費量が多くなります。

隠蔽力が高い黒の塗料なら2~3回の重ね塗りであっさり下地を隠せると思います。このほか銀色の塗料も隠蔽力が高いようです。DIYで補修する予定があるのなら黒か銀の車を買うのがいいかも?

あと、垂れるのを恐れてギリギリまで近づけなかった結果、塗料が広く飛び散り、塗りが薄くなっていた可能性もあります。適切なスピードで塗れば近づけても垂れないのですが、加減が難しい。まあ、万が一垂れてもしっかり乾かして研磨すれば回復できるので、落ち着いてやりたいところです。

再研磨で地金が出なかった右側は数回の塗装でいい感じになりましたが、左側はかなりの重ね塗りが必要でした。

再研磨して塗り直したところ

しっかり研磨したおかげで今回は段差ができませんでした。塗装の仕上がりは下地作りで決まるという言葉を実感します。

再塗装後のパテ部分

マスキングテープの段差問題

塗る必要のない部分に塗料が付着しないよう、マスキングテープやマスカー、厚紙で覆っていたのですが、これが裏目に出ました。テープを剥がすと純正塗装との間に段差ができていました。

段差を防ぐためのテクニックとして、リバースマスキングというのがあります。今回はそれをしていませんでした。ただ、それ以前にマスキングで囲んだ範囲が狭すぎたのと、スプレーを十分近づけなかったのが問題だったと思います。

そもそもマスキングするのはヘッドライトユニット、グリル、ボンネット裏のゴム部品、フロントガラス下部だけでよかったかもしれません。加えて仕上げスプレー(ボカシ剤)をしっかり使えば今回のような段差は避けられたと思います。

このあと、段差を修正するためにまた研磨したり、削りすぎた部分を塗り直したりと苦戦しました……。

エアータッチガス缶の代用品

エアータッチのガスは80mL。前述の通り、はがき約1枚分塗るとなくなります。また、缶スプレーの特性上、残量が少なくなると圧力が下がったり不均一になったりします。

何本も使ってきましたが、ガスがなくなるたびに買い足すとお財布に厳しい。どうにかならないかネットで調べてみると、エアダスターの缶で代用できるという情報が見つかりました。アタッチメントのキャップを外して付け替えれば使えるそうです。

筆者の持っていたDCMのエアダスターの場合、そのままではキャップが付きませんでしたが、マスキングテープを缶に巻いて隙間をなくしたらピッタリ付きました。

エアダスターにエアータッチを接続

ガスの種類はエアータッチがLPG、エアダスターはDMEです。どちらも可燃性のガスで噴射剤のほか燃料としても利用されています。

LPGは液化石油ガスのことで従来から使われている化石資源由来のガスです。DMEはジメチルエーテルのことで、LPGに性質が似ているので代替品として利用されています。

DMEは燃やしても硫黄酸化物やススが出ないので環境に優しいみたい。バイオマスや廃棄物を原料として製造することも可能なので、資源の少ない日本にとってはありがたい物質で、合成技術の開発も行われているみたいです。

ちなみにボデーペンはガスにLPGではなくDMEを使っているので、塗装に使用しても問題はなさそうですね。ただ、同メーカーの製品でガスを使い分けているのには、なにか理由がありそうですけどね。

実際にDEM(エアダスター)をエアータッチに使ってみたところ、まったく問題なく塗装できました。違うガスだと言われても実用上違いがわからないレベルです。メーカーには怒られそうですが、エアダスターのほうが缶の容量が大きい分、圧力が落ちにくいので扱いやすかったです。

クリアー塗装

やっと段差の修正などが終わりました。仕上げのクリアー塗装を行います。メタリックとパールカラーはこれを塗らないと光沢が出ません。

エアータッチ専用クリアー2本

これ1本で塗れる面積は、2回塗りで0.08㎡だと書いてあります。平方メートルだとちょっとわかりにくいので変換すると、800平方センチメートル。

およそ28.28センチ × 28.28センチの範囲が塗れます。有色のタッチアップペンは、はがき約1枚分なのでこっちのほうが広いですね。

あと、カラーからクリアーに付け替える前に、アタッチメントの吹き出し口に付着した塗料をラッカー薄め液で掃除しておきました。

クリアーの塗装もすんなりとは行かず、ホコリが入って何度かやり直しました。乾燥させてホコリだけ削って再塗装という感じです。

地面に水をまいて、ツルツルでホコリの出ないカッパみたいな作業着を着て、腕まくりをして塗装したけどそれでもホコリは入ります。完璧を目指すと切りがないので、ある程度の混入は諦めることにしました。

クリアー塗装後

写真で見る分にはわからないですが、肉眼でよく見ると灰色のホコリが少し入っています。

クリアー塗装後

クリアー塗装後にも仕上げスプレー(ボカシ剤)を使うのがいいです。塗装範囲より広めにスプレーすると塗装の境目やザラつきが目立たなくなります。

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そうそう、エアータッチ専用クリアーを塗って意外だったのは、かなりの光沢が出たことです。純正塗装やウレタンクリアーには劣るかもしれませんが、とろっとしたようなツヤが出ています。塗り重ねるごとに深い光沢になっていき感動しました。

ボデーペンのクリアー(アクリル)では、コンパウンドによる研磨なしでここまでの光沢感は出せません。塗るだけでテカテカになるエアータッチ専用クリアーは優秀だと思います。

おそらくニトロセルロースが光沢に関係しているのでしょう。成分を見るとどちらのクリアーにも合成樹脂(アクリル)と有機溶剤が含まれていて、違いはニトロセルロースのみだからです。

光沢感がわかりやすいように3チップのLED光を当ててみました。

エアータッチクリアーの塗装面に光を当てたところ

エアータッチクリアーの塗装面に光を当てたところ(少し拡大)

実物の質感はなかなか写真では伝わりませんが、雰囲気だけでも感じていただけたら幸いです。

おわりに

遠目には気にならない仕上がりとなりました。近づいてよく見るとホコリが入っていますし、なんとなく純正塗装と質感が違うような気もしますけどね……。傷を補修するという目的は達成できたので、作業は一応成功と言えるでしょう。

なお、今回はタッチアップペンとエアータッチで作業を進めましたが、耐久性・耐薬品性を考えるとボデーペンで塗ってウレタンクリアーで仕上げたほうが強いです。タッチアップペンやボデーペンは、有機溶剤やガソリンで簡単に溶けますからね。DIY用の塗料だとやはり2液ウレタンが一番強い。

今回も最初はボデーペンとウレタンクリアーを検討したのですが、この車体色(NH875P プレミアムホワイトPII)はラインナップになかったので断念しました。塗る範囲も狭いのでエアータッチがちょうどいいかと思い使ってみたわけです。

なお、ホルツのカーペイントにはこの色の缶スプレーがあります。二液ウレタンのクリアーも出しているので、広い範囲を塗りたい場合や耐薬品性を求める場合はそちらを使うのがよさそうです。

ちなみに自己責任ではありますが、エアータッチの上にウレタンを塗るという方法もあります。ウレタンクリアーはボデーペンの上塗り以外には使えないと書いてありますが、アクリルラッカーの上にウレタンを塗るのは理屈の上では問題ないはず……。

なおホルツのカーペイントはアクリルラッカーです。したがって、もしアクリルラッカーのエアータッチの上に塗るなら、ホルツの2液ウレタンのほうが無難かもしれません。

今回も仕上げに2液ウレタンを検討したものの、悩んだ挙げ句やめました。ボンネットにガソリンがかかることはまずないですし、非推奨の塗料を使っておかしなことになり、やり直すのは嫌だったので。

二液混合の使い切りタイプは余らせると廃棄するしかなく、もったいないという理由もあります。今回の範囲ではおそらく使い切れないのでね。

また、ウレタンは薬品に強い分、失敗したら研磨するか強力な剥離剤を使うしかないという弱点もあります。飛び散ったスプレーダストが関係ないものに付着するとなかなか取れないので、扱いも厄介です。

バイクのタンクや、車の給油口の近くを塗るときは迷わずウレタンですけどね。

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