「手動式オイルチェンジャー」なるものを購入したので車(エブリイ DF51V)と原付(JOG SA36J)に使ってみました。
アマゾンで3000円程度。一度に6リットルまで抜けます。上抜き装置はいろんな形状のものが出ていてバッテリーから電気を取る電動式もあります。
ちなみに今回購入したのと同じ形のものが複数のブランドから出ていますが、製造元は全部同じ所なんじゃないかと。写真を見ても違いが分かりません。どうも海外の製品を輸入して売ってるみたいです。
車(軽バン)のエンジンオイル上抜き
まず車からオイルを抜いてみます。スズキの軽バン、エブリイ(DF51V)。中古で買った20年落ち多走行車です。けっこうボロい…。
この車、エンジンの位置が特殊。後輪の辺りの床下に積んであるのでオイル注入口やレベルゲージも後ろの方にあります。ボンネットを開けて作業する一般的な車とは手順が少々違ってきます。
作業開始
オイルレベルゲージを抜いたところにオイルチェンジャーのチューブを差し込みます。
オイルチェンジャーの黒いチューブは中に金属が入っていてコシがあります。フニャフニャかと思っていましたがそんなことはありませんでした。
チューブを奥まで差し込んでから、ポンプの取手を何回か引いてシュコシュコとやります。
すると負圧が発生して勝手にオイルが抜けるという仕組み。暖気してオイルをやわらかくしておくと抜きやすいようです。
ポンプはずっとシュコシュコしていなくても重くなるまで数回やればOKです。後は勝手にオイルが吸い取られて出てくるから楽ちん。
ちょっと感動しました。電気を使わず人力でこれができるのはすごい!透明な管の中を勢いよく通過するオイルを見るのは面白いです!
オイルの出が悪くなったらまたポンプをシュコシュコします。吸い出される量が減ってきてもう無いかなと思ったけど、シュコシュコしてやればまだ少しずつ出てきました。
手が汚れないから良いですね。廃油を別の容器に移すのも専用のノズルと取っ手があるからやりやすい。これは便利です。
上抜きの場合、当然ジャッキアップは要らないですしドレンボルトを緩める必要もありません。車が落下してきて潰される事故も防げます。
オイル交換がグッと楽になりますねこれは。いい買い物でした。3000円でかなりの省力化ができます。バイクにも使ってみたいと思いました。あとは耐久性ですね。壊れるまで何回使えるかです。
ただし車種によっては構造の関係で上抜きが出来ないことがあるようなので要注意です。チューブが入らなかったり、入ってもオイルが少ししか抜けなかったりするみたい。
廃油がサラサラ
このオイルチェンジャーには目盛りというか横線が6本入っています。全部で6リットル入るので1リットルごとの線だと思います。
油面の位置から考えると3リッターくらい抜けたみたいです。このエブリイ(DF51V)はエンジンオイル量3リッター。ただし抜く前は規定量より多めに入っていました。
エレメントを外してないから全部は無理だけどかなり抜けたってことじゃないですか。やったぜ!
抜いたオイルはなんだか粘度が低い感じです。とろとろサラサラ。水みたい。本当に説明通りの5w-30が入っていたのか不安になります。粘度低下するほど距離を走ってないのですが。
バイクのオイル交換は何度かやったことがありますが、こんなにシャバシャバな廃油ではなかったと思います。
粘度表示が同じでも車用オイルはバイク用よりやわらかいのでしょうか?それとも気温が30度近いから?
まさか店が嘘ついていて、実際には最近のエコカー向け省燃費オイル(0w-20等)を突っ込んだということはないよなあ…(疑心暗鬼)。20年落ちボロ車用のかたいオイルが在庫に無く、仕方なく低粘度を入れたとか。
まあ、そんなことはないでしょうね。疑いすぎ。今でもターボ車用に5w-30は用意してあるはずです。やわらかいのはやっぱり暑いからなのでしょう。
かため(10w-40)のオイルを入れる
オイルジョッキは新しいのを買いました。バイク用があるのですが1リットルしか入らないので使い分けます。
買ったのはアストロプロダクツの3リットル用ジョッキ。これのいい所は上部と注ぎ口(先端)にフタが付いている点。保管時にホコリが入らないですし、注ぐ時斜めにしすぎても上から漏れません。
入れるエンジンオイルはホームセンターにて4リッター2700円で買ったやつです。「Max Factory」という所が出している10w-40。(マックスファクトリーというとフィギュア会社のほうが頭に浮かんでしまいますが…。)
このオイルはディーゼルエンジンにも使えるらしいです。汎用なので中途半端なオイルかもしれませんね。安いのであまり期待はしていません。
「化学合成系ベースオイル使用」という中途半端な記述も気になります。100%化学合成なのか部分合成なのかはっきりしません。
ポイントは粘度が10w-40と少々かための所。エブリイ(DF51V)の指定粘度は10w-30です。
缶には「5万kmを超えた多走行車向け」とあります。このエブリイは中古で買った時点で16万キロ以上の走行距離なので十分多走行。
「多走行車のエンジンはクリアランスが広がるので指定より高めの粘度を入れたほうが良い」という説を信じ入れてみます。エンジン音が静かになったり燃費が向上したらいいなと。
このオイルはかためのはずですが、注いでみるとなんだかやわらかい感じがします。なめらかに流れる…。やはり暑いせいでしょうか。
ジョッキには3リットルよりちょっと少なめに入れました。あとはレベルゲージで確認し少しずつ足していきます。多く入れすぎて抜くのは面倒くさいので。
このエブリイはオイル注ぎ口が大きくて入れやすいです。
余談ですがバイク用と違い車用の10w-40オイルは種類が少なく値段が高いみたいです。10w-30なら数も多く、バイク用より大分安いのですが。
車はバイクに比べ使用する回転数が低いので粘度が低くても大丈夫らしいです。高温側粘度が40以上のかたいオイルを使うのはスポーツカーなど一部の車種のみ。
最近では燃費向上のため0w-20など超低粘度が多いようですし、10w-40指定が多いバイクとは世界が違いますね。
10w-40のフィーリングなど
粘度を上げてもフィーリングはあまり変わりませんでした。気持ちかたいかなってくらい。走りが変わるけどほんの少し。
原付二種バイク(YB125SP)だと粘度を変えるだけで大分フィーリングが変わって分かりやすいのですが…。車は軽と言っても660ccあるからエンジンパワーでごまかされてしまうのかな?
エンジンノイズはたいして小さくならず、うるさいままです。走行距離が長く、へたったエンジンなので粘度変更程度ではどうにもならないのか…。
あるいは10w-50くらいまで粘度を上げたら体感できるのでしょうか。
エンジンからは変わらずタペット音みたいなのが出ています。カチカチカチカチと。エンジンを開けてバルブクリアランス調整するしか無いのですかねぇ…バイクと違って難しそうです…。
原付バイクのオイルを上抜き
次にヤマハの4スト原付JOG(SA36J)のエンジンオイルを上抜きします。一年近く放置されていたので走行距離は全然ですが、時間で劣化してそうなので交換。
バイクのオイル交換はジャッキアップ不要なので普通は下から抜きますね。車と違いドレンボルトが手の届きやすい所にあります。
バイクで上抜きするメリットは車より少ないですが、それでもやる意味はあると思います。利点を挙げると以下のようなものがありそう。
- トルク管理が不要。ドレンボルトを締めすぎてネジ山を壊す心配がない
- ドレンワッシャー(パッキン)を交換せずに済む
- 廃油の処分がしやすい。下抜きと異なりオイルを受け皿に出す必要がなく、オイルチェンジャーからノズルで直接廃油入れに移せる
- 下から抜くより多く抜ける場合も。車種、構造による
- 手が汚れにくい。下抜きだとドレンボルトを緩める時手に掛かりやすい
注入口から抜く
原付を含めバイクは大体オイルレベルゲージと注入口が一緒。そこから抜くしかなさそうです。ゲージ兼キャップを外してチューブを奥まで入れていきます。
ちゃんと抜けるか心配でしたが、ほぼ全量近く抜けた模様。オイルチェンジャーの1リットル目盛り近くまで抜けてます。
JOG(SA36J)のエンジンオイル容量は0.78リットル。
廃油を2リットル入る容器に移し替えたのですが、前の廃油が1リットル入っていて、今回の廃油を入れると満タン近くになりました。ほぼ全量抜けている模様。
車種によっては多めに残ってしまうこともあるようですが、JOG(SA36J)は問題なく上抜きできました。次はYB125SPでも試してみたいです。
原付に車用オイル
さっき車に入れた10w-40オイルの残りを原付に入れます。JOG(SA36J)の指定は10w-40なので粘度的にはOKです。
MTバイクに車用エンジンオイルを入れるとクラッチが滑ることがあるようですが、スクーターならその心配もありません。ギアオイルが別になってます。
※とはいえ推奨はされていません。スクーター用オイルを入れるのが安全です。バイクに車用オイルを入れる際は自己責任で。
アストロプロダクツのオイルジョッキは車用だからか先端が太め。JOGの注油口には入らず漏れました。仕方ないのでバイク用1リットルジョッキを使用。ほんのちょっと太いだけで使えないのは少々悔しいです。
あとがき
上抜きの楽さを知ってしまったので、下から抜くのが面倒に感じられてしまいます。邪道と言われるかもしれませんがしっかり抜けていればOKでしょう。(車種によっては全然抜けない場合があるようなので注意。)
ちなみに下抜きでも全部抜けるとは限りません。例えばYB125SPはエンジンオイル全量が1.2リットルですが、抜けるのは1リットルのみだと説明書にも書いてあります。
上抜きオイルチェンジャーはなかなか便利な道具でした。