ホンダの軽自動車N-WGN(JH1)に、パイオニア製のドライブレコーダー「VREC-DZ300」を取り付けた記録です。
なお、JH1はフルモデルチェンジ前の初代N-WGNです。現行の2代目N-WGN(JH3など)とは仕様が異なります。現行モデルにドラレコを取り付ける際の参考にはならないかもしれません。
おことわり:素人の作業記録ですので内容に誤りがあるかもしれません。当記事を見て作業される場合は自己責任でお願いします。
ドラレコ取り付けの理由
交通事故に関して色々と怖い話を読み、ドラレコなしで運転するのはリスキーだと感じ、取り付けを考えました。
ドラレコの映像は事故発生時の証拠として重要です。もらい事故の場合でも、証拠がなければ相手が嘘をついて責任逃れするおそれがあります。
例えば、相手の信号無視が原因で衝突事故が発生したとします。ドラレコを付けていない場合は、相手に責任があることを証明するのが難しい。第三者の目撃証言に期待するしかありません。
もし客観的な証拠が存在しなければ、相手は嘘をついて過失割合を下げようとするかもしれません。最悪、こちらが信号無視したことにされてしまいます。
実際、信号無視をした加害者が虚偽の主張を行い、被害者に責任を転嫁しようとした事例があったそうです。第三者の映像提供によって真実が明らかになり、事なきを得たようですが、やっていないことで責任を負わされてはたまりません。
ドラレコは身を守るために必要だと感じました。安い製品ではないですが、いざという時のことを考えると無駄にはならないと思い、取り付けを決断。自分で付ければコストを抑えられますし。
購入したドラレコについて
Amazonでドラレコを検索すると、得体の知れない中華メーカーの製品が大量に表示されます。それらは値段が安いものの品質に不安があるので使いたくありません。
というわけで国内メーカーの製品から選びました。今回買ったのは、パイオニアの「カロッツェリア VREC-DZ300」。
(Amazonリンク)カロッツェリア(パイオニア) ドライブレコーダー VREC-DZ300 207万画素 Full HD WDR/GPS Gセンサー/対角111º/駐車監視/コンパクトモデル VREC-DZ300
「VREC-DZ300」はエントリーモデルという位置づけですが、ドラレコに求められる基本的な機能・性能は備えています。具体的には、「フルHD」「WDR」「GPS」「衝撃/動体検知」「駐車監視」など。
だだしこれは、1カメラで前方録画のみのモデル。できれば後方も撮ったほうがいいです。煽り運転や後方からの追突も記録できますからね。
ですが今回は取り付けの難易度を考慮し、あえて前だけのモデルにしました。
なお、後でリア用カメラを追加することは可能です。リア用のモニターレスドラレコが単品で販売されています。パイオニアだと「VREC-RH200」。
パイオニア 後方専用超小型ドライブレコーダーcarrozzeria(カロッツェリア) VREC-RH200(Amazon)
とはいえ、リアにも付けたいなら、初めから前後セットを購入するほうがコスパが良さそう。フロントのみの製品とほぼ価格が変わらない前後セットもあります。
延長保証とドラレコ用SD
ドラレコ本体は「クロネコ延長保証サービス」に加入しました。自然故障に対応した5年間の延長保証です(※メーカー保証は1年間)
ドラレコは車内に設置されるため、高温や振動に晒されます。一般的な電子機器より過酷な環境で使われるので寿命が短そう。
もちろん、そのような環境を想定した設計になっているとは思うのですが、安いものではないので、1年ちょっとで壊れてもらっては困ります。安心のために延長保証に入りました。
microSDカードは、ドラレコ向けに設計された耐久性の高いものを購入。
Samsung PRO Endurance マイクロSDカード 32GB microSDHC UHS-I U1 100MB/s ドライブレコーダー向け MB-MJ32GA/EC 国内正規保証品(Amazonリンク)
運転中は常に録画を行っているため書き換え頻度が高いですし、夏の車内はかなり暑くなるので、専用品のほうが安心です。
取り付けの流れ
ドラレコの取り付け自体は簡単です。付属の両面テープで本体をフロントガラスに貼って、シガーソケットから電源コードを引っ張ってくるだけ。
ただ、それだと見た目がよろしくありません。走行時にはコードがプラプラして目障りです。そういうわけで、今回は目立たないように裏側から配線します。
見た目良く取り付けようと思うと、少々難易度が上がりますね。
ここで、取り付けの流れを短くまとめます。
- ヒューズボックスから電源を取る
- 後付けシガーソケットを用意し電源と接続
- ドラレコ付属の電源ケーブル(プラグ)をソケットに接続
- Aピラーを外し、電源ケーブルを通す
- ドラレコ本体をフロントガラスに貼り付け
- 電源ケーブルをドラレコ本体につなぎ、余った分を天井裏に隠す
なお、これはあくまで一例です。純正配線から直接電源を取るやり方などもあります。
電源を取る
まずはドラレコを動かすための電源を確保します。
付属の電源ケーブルはシガーソケットに差し込むタイプ。これをそのまま使用すると、シガーソケットが常時塞がることになりますし、見た目もすっきりしません。
そこで配線を隠すため、ヒューズボックスから電源を取ることにします。使用するのは、いわゆる「ヒューズ電源」。ヒューズを抜いて差し替えることで電気を取り出せます。
エーモン 低背ヒューズ電源 DC12V・120W/DC24V・240W 20Aヒューズ差替用 E579(Amazon)
これを使えば純正配線の加工が不要になるので原状復帰も簡単です。
被覆を剥いたり配線コネクター(エレクトロタップ)を使ったりして、純正配線から電源を取ることも可能ですが、個人的には簡単に元に戻せるヒューズ電源の方が好きです。
N-WGN(JH1)のヒューズボックスは、運転席の足元にあります。カバーのパネルを引いて外すとアクセス可能。
ヒューズがたくさん並んでいます。色とりどりで楽しげな見た目。
この中から電源を取るヒューズを選ぶわけですが、走行に関わるヒューズは念のため避けたほうがいいです。万一切れても走行に影響が出ないヒューズから選びます。
ACC電源について
ドラレコは基本的にACC電源(アクセサリー電源)につないで使う機器です。ACC電源が来ているヒューズから選びましょう。
ACC電源とは、常に通電している「常時電源」と異なり、エンジンを始動すると同時にONになり、エンジンを切るとOFFになる電源です。
さらにスマートキー搭載車の場合、ブレーキを踏まない状態で一回スターターボタンを押すとACC電源がONになります。
従来型キーの場合は、キーシリンダーのACCに合わせるとONです(参考↓)。
なお、アイドリングストップ時にはエンジンが止まりますが、ACC電源はONのままです。したがってドラレコの録画が止まることはありません。
もし、ACC電源ではなく常時電源にドラレコをつないだ場合、駐車して車から下りてもずっと録画が続くため、バッテリー上がりの原因になります。一部例外はありますが、ドラレコは基本ACC電源につなぎましょう。
ヒューズの選択
「走行に関わらない、ACC電源のヒューズ」というのが条件です。では、各ヒューズのつながっている機器、容量、配置の表を見てみましょう。
ハンドルの根本を下から覗き込むとシールが貼ってあり、ヒューズの大まかな情報が分かります。
オーナーズマニュアルにはより詳しい説明があります。
では具体的に、どのヒューズを選べばいいのか?
この車の場合「アクセサリーソケット」の20Aヒューズ(28番)が無難だと思います。いわゆるシガーソケットにつながっているヒューズで、ACC電源になっています。
なお、ヒューズの配置・容量は、グレード・オプションなどに応じて変わります。実車に貼られているシールなどで確認してください。
今回使用する「アクセサリーソケット」のヒューズも、スマートキーシステム装備車と非装備車で位置が異なるので注意。
ヒューズの選択理由
「アクセサリーソケット」のヒューズを選んだ理由はいくつかあります。
まず走行に関わる機器につながっていません。アクセサリーという名前の通り、後付け機器用の電源なので、もしヒューズが飛んでも影響は軽微です。
さらに容量が20Aと大きいため、根本の配線が太いと思われます。もしソケットに他の電装品を差し込んでも、容量オーバーで問題が出ることはまずないでしょう。
また、ここから電源を取るのは実質的に、アクセサリーソケットに差し込むのと同じことです。配線を隠すためにヒューズボックスから取ってはいますが、電源の経路としてはソケットから取る場合と変わりません。
通常使用と同じ経路で電気が流れるので意図しない動作を避けることができ安心です。
ソケットの名称について
余談ですが、「シガーソケット」ではなく「アクセサリーソケット」という名称なのは、喫煙者が減りシガーライターが付属しなくなったからだそうです。
シガーソケットと呼ばれていた頃と形状は変わっていませんが、ライターの使用は想定されておらず、ドラレコなどアクセサリーを取り付けるための存在になっています。
だから、「シガー」ソケットではなく、「アクセサリー」ソケット。
N-WGNの説明書(オーナーズマニュアル)には「シガレットライターは差し込まないでください。発熱するおそれがあります」との注意書きがあります。
後編に続く
長くなるので今回はここまで。後編に続きます。