バッテリー交換作業(後半)
メモリーキーパーから電力供給
マイナス端子が外れると、バッテリーから車両への電力供給が止まります。
すると、メモリーキーパーのインジケーターが変わり、バッテリー(中央)が消灯、電力供給中(右)が点灯します。
プラス端子を外す
マイナス端子が外れ絶縁されたことが確認できたら、プラス端子のカバーを開け、ナットを緩めてケーブル側の端子(ターミナル)を外します。
なお、メモリーキーパーを使っている場合は、ケーブル側のプラスのターミナル(上の写真)を車体の金属部分に接触させてはいけません。ショートします。
メモリーキーパーの動力源の乾電池は、鉛バッテリーのような大電流を流せないとはいえ、液漏れや破裂のリスクはあります。また、車両のヒューズが切れる可能性も考えられます。
というわけで、プラスのターミナルにもゴム手袋など絶縁体を巻いておいたほうが安心です。
固定金具を外す
端子を両方外したら、固定金具の棒に付いているナットを緩めます。
固定金具の棒2本は、ナットを外すとフリーになり、カシャンと音を立てて落下するので注意。棒の先端が「J」のように曲がっていて、バッテリー台の穴に引っかかっているだけです。
ナットも落とすと面倒です。エンジンルーム内はごちゃごちゃしていて、発見が難しいですし、見えていても狭い隙間だと手が入らないこともあります。
筆者は今回メガネレンチを落としてしまいました。しばらく探しても見つからず絶望。走行中に落下したり可動部に挟まったら危険なので、うかつに走らせることもできません。
最終的に、ヘッドライトユニットの裏あたりにちょこんと乗っかっているのを発見。下の方まで落ちたと思って探したのですが、意外にも上の方にありました。
工具に紐を結んで手首にかけて作業したほうが安心ですね。変なところに落ちたら本当に取れなくなりますから。
ちなみに、バッテリー交換用の絶縁スパナには、紐を通せる穴が空いている製品もあります。落下トラブルは意外と多いのかも?
あと、メモリーキーパーの使用時間には限界(※説明書によれば30分以内)があります。バッテリー端子が外れた状態で工具が落下したら、別の工具で接続してから捜索したほうが安心ですね。
新旧バッテリーを積み替え
端子と固定金具を外したら、バッテリーを持ち上げることができます。バッテリーは見た目以上に重いので気を付けましょう。落としたり、腰を痛めたりしたら大変です。
また、バッテリーを斜めにすると、硫酸を含む危険なバッテリー液が漏れ出すことがあります。垂直に持ち上げ、そのままの向きで移動させましょう。
ケーブル側の端子(ターミナル)が汚れていたら、ワイヤーブラシやサンドペーパーなどでこすって掃除しておきます。
N-WGN(JH1)標準搭載バッテリーの形式は「M-42R」です。
これは、アイドリングストップ車用バッテリーで「M」の部分はサイズ、「42」の部分は性能ランク、「R」の部分は端子位置を示しています。
新しく購入したバッテリーは、Panasonic caosブランドの「M-65R」です。
サイズや端子位置は元のバッテリーと同じですが、性能ランクは「42」→「65」と上がっています。性能ランクが高いと、容量が大きかったり始動性能が高かったりします。
新しいバッテリーには取っ手が付いていて持ち運びやすかったです。端子に絶縁キャップが付いているのも安全でいいですね。
取っ手は取り外しが可能。両端のロックをつまんで押し下げれば外れます。
今回は何も考えずに外しましたが、邪魔にならなければ付けっぱなしでよかったのかも。次の交換時までに紛失しそうです。
固定金具の取り付け
前述のように、固定金具の棒は「J」の形になっていて、バッテリー台の穴を通ります。
向きは内側(バッテリー側)から外側に出る感じ。
この棒はナットで固定するまではユルユルで、注意しないと倒れるので作業がしづらかったです。下手をするとエンジンルームの隙間に落ちて取れなくなります。
プラス端子から付ける
外す時はマイナス端子からでしたが、付ける時はプラスからです。理由は外す時と同じくショート対策になるからです。
プラス端子を先に付ける場合(=マイナス端子が外れている場合)は、工具がプラス端子と車体の金属部分に同時に触れてもショートしません。
また、マイナス端子のキャップは、プラス端子の取り付けが完全に終わり赤い絶縁カバーを閉じるまで、外さないほうが安全です。
そのあと、マイナス端子を取り付ければ交換作業はほぼ完了です。
ターミナルに塗るグリスの話
バッテリーの説明書によると、金属の腐食防止のため、ケーブル側の端子(ターミナル)に錆止めグリスを塗っておくといいようです。
しかし、錆止めグリスと言われても種類が指定されていないので悩んでしまいます。グリスには成分によって、リチウム、モリブデン、シリコン、ウレアなど様々な種類があります。
おそらく、特殊なグリス以外ならどれでもいいのでしょうね。今回は「万能グリス」として販売されているやつを塗っておきました。商品用途に腐食防止も入っているので問題はなさそう。
(※万能グリスにはリチウム系が多いらしい)
ちなみに種類は少ないですが、バッテリーターミナル用グリスと称するものも存在します。個人的には、わざわざ買おうと思いませんけどね……。
なお、接点にグリスを塗ってはいけません。バッテリーの端子(ポール)とケーブル側の端子(ターミナル)が、接している部分のことです。普通のグリスは電気を通さないので接触不良を招きます。
例外的に、導電性グリスというのが存在します。カーボンブラックなど電気を通す物質が混ぜ込まれたグリスです。接点に塗ることで隙間を埋めて通電性を向上させられるようです。
しかしながら、説明書で言われているのは接点の通電性向上ではなく、空気に触れている外側部分の腐食防止です。バッテリーから出たガスや液、湿気による劣化を防ぐのが目的なので、塗るのは普通のグリスで十分だと思います。
メモリーキーパーの取り外し
新しいバッテリーを取り付けましたが、念のため、バッテリーから正常に電力供給が行われているか確認しましょう。
インジケーターの中央(バッテリーアイコン)の点灯が表示を確認できたら、OBD2コネクタからメモリーキーパーを外してバッテリー交換完了です。
おわりに
記事は少々長くなりましたが、実際のバッテリー交換作業はそれほど時間がかかりません。
工具の落下などトラブルがなければ、メモリーキーパーの制限時間である30分以内に、余裕を持って作業を終えられると思います。
バッテリーはディーラーやカー用品で買うと高価ですし、交換工賃も数千円かかるので、ネット通販で安く購入し自分で交換すればかなりの節約になります。
メモリーキーパーなどバックアップ電源も2000円未満で手に入ります。
ただし、バッテリーはかなりの重量があり、ショート、液漏れ、引火などの危険性もあるので、誰にでもおすすめできる作業ではありません。
とはいえ、保護メガネやゴム手袋などをしっかり着用し、手順を守り、落ち着いて作業すれば、大きな事故につながる可能性は低いです。興味がある方は、無理のない範囲でチャレンジしてみてもいいかもしれません。
また、バッテリー交換に限りませんが、危険性を伴う作業は、眠いときや疲れているときには避けるのが無難です。時間に追われ焦って作業するのもミスの原因になるので、できるだけ余裕を持って取り組みたいですね。
交換後の余談はこちら⇩
