ヤフオクで買った大分傷んでいるVTR250(W、初期型)の整備記録第9回。
今回は、分解洗浄が終わったキャブレターに部品を取り付けていきます。
前回:キャブレターオーバーホール2(洗浄編)【VTR250レストアpart8】
ガスケットセット
キャブを組み直す際に各部のガスケットを新品に交換する。
純正品番:16010-KCR-900
キャブに使われているガスケットがセットになっている。
1セットに入っているのは分割したキャブの片方分(一気筒分)なので、オーバーホール時は2セット必要。
部品の新品交換
ガスケット以外にも劣化して使えない部品は取り替える。
ゴム系部品は経年劣化でダメになりやすい。前の記事で書いたけれど、エアーカットバルブとバキュームピストンは再利用不可能な状態だった。
ただ残念なことにこの2つ部品は純正新品で買うとめちゃくちゃ高い。
エアーカットバルブ
エアーカットバルブは単体でパーツリストに載っておらず、セットで買うと4,700円。
しかもこれは古いパーツリスト掲載の価格。約20年経過した現在では値上がりしている。
当時の価格で片側4,700円なので両側(二気筒分)購入すると9,400円。値上がり分を考えると現在では軽く1万円を超えると思われる。なんてことないパーツなのに高すぎる。
こんな高いお金を払うのは流石に嫌なので社外品を探してみました。
そうしたら良いのがありましたよ!
NAPCO(ナプコ)から出ているNPC-H010という部品。バルブ単体で1,200円(税抜)。
ラベルを見ると純正品番の16048-MR7-004に対応していることが分かる。
純正品と比べると圧倒的に安い。2つ買っても2,400円 + 消費税10%の240円 = 2,640円。かなりの節約になった。
新旧比較。新品にはラバープロテクタントをスプレーしておいた。
↓ここのガスケットも忘れずに交換する。
バルブ、バネの順番で入れてフタをしネジを締めたら完成。
古いネジはサビがひどかったので新品に変えておいた。純正を買ってもいいけど今回はホームセンターのM4×8mmユニクロメッキなべ小ネジを使った。
バキュームピストン
残念ながらバキュームピストンの社外品は見つけることが出来なかった。
だがゴムが劣化しきってまともに機能しないので使い回すことはできない。試しに組んでみたけど、ゴムが縮み硬化し気密性がなくなっているせいで、ピストンがまともに上下しなくなっていた。新品を買うしかない。
純正部品の見積もりを取ってみたが凄まじい値段が表示され絶句。
古いパーツリストに載っている当時の価格は5,600円だったが、現在はなんと10,065円(税込)まで高騰している。(2020年10月時点)
1個でこの値段ですよ、高すぎる!こんな単純な部品に1万円以上の値段が付いているのは不可解。VTR250の場合、2個必要だから2万オーバー。お財布に痛すぎる…。
インジェクションが壊れるとアッセンブリー交換になるから高いという話を聞いたことがあるけど、キャブの部品も決して安くはないんですね……。
それにしてもなんでこんな価格設定になっているのか謎。作るのが大変な部品ではなさそうだし、高い素材を使っているわけでもなさそう。
社外パーツメーカーは互換品を作って純正よりちょっと安い値段で売れば良い商売になると思う。
諦めて購入
文句を言っても仕方ないので買いました。これがないと完成しないのは分かってるけど苦しい…。気楽に始めたレストア遊びだけど思ってたよりお金がかかって苦しい。
↓高級品です。しっかりプチプチに包まれてる。
↓新旧比較。古い方(右)は大分縮んでいるのが分かる。
ニードル前後の違い
次にこの筒の中にニードルを装着するのだけど、前後で違うものが使われているらしい。
ネット情報によるとフロントがA0VD、リアがA0VG。
針の上の方に小さく文字が彫ってあるので、どっちから外したか分からなくなっても大丈夫。
ニードルを入れたら小さなバネ付きの星型部品を入れ、押し付けながらドライバーで回す。
この上に大きなバネを入れフタをしたら完了。なおフロント側はフタの上にバインダーが付く↓
指でピストンを上げるとスムーズに戻ってくる。レスポンス良好。さすが新品。
ジェット類の取り付け
スロージェットは分解時手で無理矢理緩めようとして傷がついたので新品に交換。機能の問題は無いと思うけど、気分的に。
今思えばメインジェットもケチらず新品に変えとけばよかったかも。高い部品じゃないですし。
フロートバルブ交換
フロートバルブは長期間使用すると先端のゴムがすり減って隙間ができオーバーフローの原因になるので交換する。純正はバルブ単品で注文できないようなのでセットで(16011-MY8-000)×2。網とバルブシートも付いてくる。
網をキャブ本体に押し込み、ガスケットとバルブシートを取り付ける。六角ソケット10mmを使用した。
新旧比較。新品はピカピカで綺麗。
次にフロートバルブにクリップを取り付ける。
フロートのツメに引っ掛けてバルブシートに差し込む。ピンを通して固定。
油面調整
次に油面調整をするのですが、やり方が合っている自信が無いので、このあと書く内容は鵜呑みにせず、他のサイトや書籍等を参照してから作業してください。
ネット情報によるとVTR250の油面は6.8mm。本体を傾けてフロートのツメがバルブの頭の突起に触れている状態で測るらしい。
上の写真の矢印の長さが6.8mmになるようツメを指で押し曲げ調整。
↓このバルブ上部の突起が縮んでしまうと正確に測れないらしい。
当たっているけど縮まないギリギリの位置に合わせるのが難しかった。ひっくり返して少しずつ傾けていった。
フタを閉める前にガスケットを交換。ガスケットにシリコングリスを塗っておくとゴムの保護とズレ防止に良いらしい。
ネジ止めしたらフロート室の組み直し終了。
スクリュー類の取り付け
ガスケット(Oリング)を交換したエアスクリューを取り付ける。
奥まで締めてから規定値まで緩めるのだけど、戻し量は年式によって異なるらしい。これは初期型(W)なので1と1/2回転戻す。
ちなみにY型以降は2と1/4戻しだという。Yは排ガス規制の関係でエアーインジェクションコントロールバルブという部品が追加されたり、色々と仕様が変わっている模様。
次に、アイドリング調整スクリューと、フロート室のドレンスクリュー(Oリング交換)を取り付ける。
長くなったので次回に続きます。