ヤフオクで買ったキャブ仕様のVTR250(W、初期型)の整備記録その20です。
今回はクーラント(ラジエーター液)の交換。ついでにラジエーターキャップを社外品に変えます。
準備
ラジエーターキャップは燃料タンクの下にあるのでそのままでは触れません。先にタンクを外す必要があります。
(今思うとタンクを取り付ける前、サブタンクでエンジン始動確認をした段階でクーラント交換をやっておけば作業量を減らせました。)
シートを外して、タンク前後のボルトを緩めます。今回はタンクを完全に下ろすことはせず、木切れを挟んで浮かせました(タンクが滑り落ちないよう注意)。
こうすると燃料ホースを抜かずに済みます。
隙間ができたのでラジエーターキャップにアクセス可能。
キャップにも書いてありますが、熱い時は絶対開けちゃだめです。高温の蒸気と液が吹き出して危険。エンジンが冷えた状態で作業しましょう。
クーラント排出
ドレンボルトは車体左側の下の方にあります。スプロケカバーの近くの、ウォーターポンプカバーに付いています。
廃液を受ける容器を下に置いてから10mmのレンチ等で緩めます。
なお、このボルトを外しただけでは全然出てきませんでした。
ラジエーターキャップを開けると、ドバーッと出始めます。エンジンオイルなどとは違って粘度が低いので勢いがすごい!
クーラントは有毒なので漏らさないよう注意してやりました。絶対に口に入れないように。あと動物を近づけないようにしましょう。
しばらく出していると、勢いが弱まってこぼれました。容器を二段構えにしておいてよかったです。
意外にも廃液はきれいな感じ。透明感があり、サビや汚れは混じってないようです。数年以内に交換されていたのかも。
古くてボロい車体ですが、消耗品交換はしっかりされていたのかもしれません。タイヤは16年前のものでしたが……。
ちなみにもう一箇所、エンジンにも隠しドレンボルトがあるらしいです。ただし通常はウォーターポンプカバーの所から抜くだけで十分だと思います。
リザーバータンクからも抜く
リザーバータンクの中にもクーラントが残っているので抜きます。
徹底的にやるならタンク本体を外して洗浄になりますが、分解が大変ですし、液を見てもそこまで汚れている感じではないので簡単な方法でやります。
レベルゲージ兼キャップを外し、
チューブを入れて、
シリンジで吸い出しました。
この他にも、リザーバータンク底のホースを外して抜くという方法があります。
水で洗浄
ドレンボルトを外した状態で、ラジエーターキャップの所から水を注いで内部を洗い流します。
色水や汚れが出なくなるまでやります。
次にドレンボルトを取り付けて水をたっぷり注ぎ、しばらくアイドリングして循環させてから抜くのですが、あまり汚れてなさそうなのでパスしました。本当はやったほうがいいのでしょうけど。
クーラントを注入
まずドレンボルトを取り付けます。
シーリングワッシャー(6.5mm)は新品交換。
純正品番:90463-ML7-000。
今回は純正を買わずに持っているやつを使いました。
ドレンボルトを取り付けたらクーラントを注ぎます。
ホームセンターで買った希釈不要のやつを使用。
ラジエーターキャップの所から満タンまで注ぎました。
リザーバータンクのこと
さらにリザーバータンクにもクーラントを注ぎます。
VTR250のリザーバータンクは黒くて中身が見えません。外から入っている量が確認できないのが難点。
デザイン上の理由で黒いのでしょうか? できれば半透明で上限、下限の目盛り付きのほうがありがたいです。
キャップにレベルゲージがありますが、印が無いのでどこが上限なのか不明。
ネットで検索……。2005年式(キャブでタコメーター付きのモデル)の説明書がホンダ公式からダウンロード可能でした。
クーラント関連のページを読んでみましたが、どうもゲージの仕様が違うみたいです。
上限・下限の所だけ形が変わっていますが、自分のモデル(W、1998年式、初期型)のゲージは全部同じ四角形です。
凹みの数は同じなので、上から4つ目と下から5つ目の間ならOKなのかな?
キャブモデルの年式ごとの違いはそれほど大きくないはず。排ガス規制対策やタコメーターの有無、色やシールの違いくらいなので、おそらくクーラント量などは共通だと思います。保証はできませんが。
ちなみに2009年のフルモデルチェンジでFI化されたVTRはほぼ別物。キャブモデルとは互換性のないパーツが多いです。
ゲージの見方
まずゲージに付いた液を拭き取ります。
車体を垂直に立てた状態で、キャップを閉めずに差し込んで量を確認します。(リザーバータンクの口に乗せるだけで押し込まない。)
エア抜き
ラジエーターキャップの所を満タンにし、リザーバータンクにもゲージ上限まで注ぎました。
次はエア抜きです。
ラジエーターキャップを外した状態でエンジンを掛けアイドリングさせると、ポコポコと気泡が上がってきます。液面が下がるので補充します。
事前にホースを握ってエアを追い出しておくと時間短縮になるようです。
液面が下がらなくなったらエア抜き完了。
ラジエーターキャップ交換
ラジエーターキャップは経年劣化で機能が低下し、最悪オーバヒートにつながるらしいので新品交換します。ただのフタではないのですね……。
頻繁に替えるものではないですが、見るからに古びていて長い期間交換されていない感じだったので替えます。
デイトナのキャップを買いました。
デイトナ ラジエターキャップ 96378(Amazon) (楽天市場)
取り付け完了。
これでクーラント交換作業は一通り完了ですが、定期的にリザーバータンクの残量を確認して減っていたら補充します。
クーラントの処分
クーラントは有毒です。下水や川などに流してはいけません。
業者に引き取ってもらうのが一番ですが、オイルと違いなかなか回収をやっている所が見つからないので別の方法で処分します。
ネットで調べたところ、高吸水性樹脂(高分子吸収体)に吸わせたら燃えるゴミに出せるという情報があったので真似させてもらいました。
紙おむつや砂漠の緑化に使われている物質で、液体を吸ってゼリー状にしてくれます。
Amazonで購入。500g入りで1000円くらいでした(2020年11月12日時点)。1kg入りのほうがグラム単価は安いですが、500gで十分足りました。
ちなみにこれは簡易トイレ、保冷剤、残土固定化剤、廃血液固化剤に使えるらしい。
ビニール袋を二重にして、紙を入れて、粉を入れました。
上から廃クーラントを注ぎます。
しばらくするとプルプルのゼリー状になりました。
粉は入れ過ぎでした。500g入りの半分くらいを使いましたが、もっと少なくても固まったと思います。
このように固めてから燃えるゴミとして出しました。
※おことわり:記事はできる限り調査してから書いていますが、内容の正確性は保証できません。この記事を見て作業される場合は自己責任でお願いします。
古河薬品工業(KYK) ラクラククーラント 2L 緑 52-040(Amazon)