ヤフオクで買ったVTR250初期型(W)の修理と整備の記録その11。
キャブのオーバーホールが完了したので本体に取り付け、エンジンが掛かるようになったか確認します。
キャブが原因なら掛かるはず。しかし、年式が古い車両なので他の部分がダメになっている可能性も……。
前回:キャブレターオーバーホール4(組立・後編)【VTR250レストアpart10】
エンジンとの連結部
ゴミが入らないよう塞いでおいたエンジンの穴(吸気ポート)ですが、光を当てて見てみると結構汚れています。黒くてカーボンっぽい。
エンジン内から吹き戻しが来てたのかな?
エンジン内に落ちないよう注意しつつパーツクリーナーとウェスで軽く拭いて、仕上げに掃除機で吸ってみました。
このやり方ではあまり綺麗に落ちませんでし。徹底的にやるならエンジンコンディショナーあたりを使ったほうが良さそうですが、手間なので燃料添加剤を使うだけにします。
エンジンとキャブの間に付くインシュレーターは、経年劣化でカチカチになっていたので新品に交換。バンド(4つ)も。
パーツリストを見るとインシュレーターはWとYで違う部品番号になっていますが、仕様変更等の理由で番号が変更されただけで、同一部品扱い(代替品番)。新しいYの番号を注文すればWでも使えるやつが手に入ります。
インシュレーター:16211-KCR-940(旧:16211-KV0-000)
バンド(ネジ付き):16219-KCR-000
インシュレーターには文字が書いてあります。向きの指定ですね。
↑CARB SIDEは「キャブ側」という意味だと思います。(キャブレター=carburetor)
↑KCRは品番の一部だけど…どう解釈すべきでしょう? とりあえずUPというのは分かりますが。
あと、ゴム部品なので長持ちするようラバープロテクタントを噴いておきました。
ケーブル類の取り付け
↓この上に組んだキャブをはめ込んでバンドを締めます。
スロットルケーブルとチョークケーブルを取り付けます。
オーバーホール前の写真(↓)と比べるときれいになっているのが分かって、ちょっと嬉しい。
チョークケーブルの取り回しがいまいち分からないですね。とりあえず付くように付けておきましたが……。下の写真は進行方向に向かって左側の面です。
↓反対側(進行方向右側)にもケーブルをつなぎます。
所々に使ってない留め具(というかガイド?)があるのが気になりました。チョークケーブル用なのかどうかは不明です。他車種との共通部品だから付いているだけでVTRでは使わない可能性も?
スロットルケーブルの遊び調整
ケーブルがつながったのでアクセルをひねってみたものの、しっくり来ません。どうも遊びが少ないようなので調整してみます。
まずゴムのカバーをずらし、ロックナットを緩める。
アジャスター(細長いほう)を回して遊び調整。
溝(ネジ山)が多く見えるほど遊びが小さくなります。今回は遊びを大きくしたいので溝が見えなくなるまで回しておきました。
ナットには10mm、アジャスターには8mmのスパナが使えます。
エアクリの取り付け
キャブの上にエアクリーナーケースを設置。
エンジンとつながっているブリーザーホースを接続。このホースは純正が購入不可になっていたのでボロいけど使い回します(↓)
エレメントはかなり汚れていたので新品交換。
純正品番:17210-KFK-630 これも品番変更があったみたい。
旧エレメント(↓)は汚れて色褪せていましたね。
エンジン始動確認
ここで一度プラグコードをつなぎ、エンジンが始動するか確認してみます。燃料はメンテナンス用サブタンクから供給。
タンクまで全部組み上げてしまうと、万一エンジンが掛からなかった時に分解するのが大変なので、この状態でテストします。
V型エンジンのせいかVTR250はあまり整備性が良くないように感じます。色々外さないと触れられない部品が多い。キャブに触るのも一苦労。
あと、エンジンが掛からなくなった原因がキャブかどうかも不明なんですよね。
確かにキャブの中はドロドロに汚かったしゴム部品も劣化していたけど、キャブ以外の部分、例えばイグニッションコイルやイグナイターがダメになっている可能性も捨てきれない。
他にもバルブのカーボン噛みなどエンジンが掛からなくなる原因は色々と考えられます。
そのへんが原因だった場合、タンクを組んでいると再度分解せざるを得ず大変なので、サブタンクがあると助かります。
メンテナンス用サブタンクとキャブのホースをつなぎガソリンを注入。上の方に引っ掛け、コックをオン、しばらくセルを回してみたけど掛かりません。
ためしにチョークを引いてからセルを回すと見事始動、アイドリングを始めました。予想外にあっさりいきましたね……。
コイルやカーボンは原因じゃなかったようです。スロットルをひねるとちゃんとドコドコと回転も上がります。
ただ、前後キャブの同調を取ってないのでそのうち調整しないといけないかも。
エンジンが掛かったのでエアクリ周辺の部品を組んでおきましょう。
イグニッションコイル(前)を留めるのは六角穴付きボルトです。後ろは普通のボルト(↓)なのに前だけ穴付きなのは何故でしょうね。
エアクリケースのフタは6本のネジで固定。
※組み立ては取り外しの逆なので以下の記事が参考になると思います。
今回の作業はここまでです。