鳥との衝突で砕けたN-WGN(JH1)のヘッドライトユニットを交換した話です。この記事はpart2。グリルの取り外しからヘッドライトの取り替え、グリルとバンパーの取り付けまで書いています。
前回:砕けたヘッドライトの交換1:バンパー外しまで【N-WGN JH1】
グリルを外す
前回はバンパーを外しました。
しかしこの状態ではまだヘッドライトを外すことはできません。というわけで、次はグリル(オレンジで囲んだ部分↓)を外します。
なかなか面倒な構造になっていますね。ヘッドライト単体では交換ができず、他の部品を巻き込むので作業量がかなり多くなります。
ではグリルの取り外しを始めましょう。まずは前面中央のクリップと左右のボルトを外します。
中央のクリップ(↓)
右のボルト(↓)
左のボルト(↓)
次に開いたボンネットを上から覗き込むと、運転席側にボルト1本とクリップ1個が、助手席側にボルト1本があるので外します。
運転席側、右ヘッドライト近くのボルトとクリップ(↓)
助手席側、左ヘッドライト近くのボルト(↓)
ここまで外してもグリルはまだ外れません。今回の本題はヘッドライト交換ですが、ヘッドライトにたどり着くまでが大変です。
グリルはまだ黄色いクリップ(2箇所)で留まっていますが、このクリップがえらく奥まった分かりづらいところにあります。
ネットの情報によればつまむといいらしいですが、指が入りません。悪戦苦闘の結果、グリルのクリップに近い部分をつかんでまっすぐ引っ張ったら外れました。
外れたクリップはこんな感じ(↓)
ボディ側の穴も傷んでないようですし、ここは力技でいいのかな?
なお、表から見るとクリップはこの辺にあります(↓)グリルのできるだけクリップに近い部分をつかんで引けば外れると思われます。
もう片方のクリップも同じように外せばグリル全体が外れます。ボディ側にクリップが残った場合はつまんで外してグリルに取り付けておきます。
ところで、バンパーとグリルが外れて部品がむき出しになると何か別の物体に見えますね……。外観にバンパーとグリルが与える影響は大きいようです。
ヘッドライトを外す
やっと本題のヘッドライトにたどり着きました。ここまでが長かった。
砕けた左側(助手席側)のヘッドライトユニットを外していきます。ボルト3本とクリップ1個で固定されています。
まずはライト正面左下のボルトから。カップ(?)みたいなものの奥にあります。
メガネレンチは入らないのでエクステンションバーを付けたソケットレンチなどを使って外しましょう。
次に側面のボルト(↓)
上面(ボンネット内部)のボルト(↓)
最後に上の端にあるクリップ(↓)
これでヘッドライトを持ち上げられるようになります。
裏側に配線のカプラーがつながっているので外します。全部で4箇所です。
束ねた配線をヘッドライトに固定するクリップのツメ(↓)も外せば取り外し完了です。
ユニット内の部品を移植
今回ネットオークションで購入したヘッドライトユニットは、一部の部品が取り外された状態でした。元のヘッドライトユニットから移植します。
まずは、HIDを光らせるための部品一式を移します。電源直結で光るハロゲンとは違い、HIDを光らせるためには色々と部品が必要なんですね。
ヘッドライトユニットの裏側にあるカバーを、反時計回りに回して外しましょう。
なお、カバーのシールには「取外さないで下さい」と書いてあります。高電圧部があるからだそう。英語の警告には、ど直球で「can kill」と書かれてます。
電源から切断されていますし、しばらく放置してあったので感電のリスクは低いと思いますが、若干怖い……。ちなみに25,000Vといえば新幹線の架線電圧と同じです。
念のためゴム手袋を着用しましたが、万一電気が残っていた場合に25,000Vに耐えられるかどうかは不明。分解される際は自己責任でお願いします。
カバーを外すと中身はこんな感じ(↓)この銀色の部品の裏にバルブが付いています。
金属の留め具を奥に押し込みつつ、左右にずらしてやるとロックが外れます。
留め具を外すイメージ(↓)輪っかの部分を押し込みツメから外れた状態で左右にずらすのがポイント。
ちなみに、固定状態はこんな感じ(↓)
次にソケットからHIDバルブを外します。なお、バルブに素手で触ると油分が付着して悪影響が出るらしい。手袋をしておくのがよさそう。
反時計回りで外れます。滑るので薄いゴム板を巻いて回しました。
バルブは壊さないよう安全な場所で保管。ソケット側の部品をさらに分解します。下の方に配線がつながっているのですが、これは取り外し可能。
小さなツメを奥に押してやれば外れます。小さなマイナスドライバーに養生テープを巻いて押しました。
次に、ヘッドライトユニット底面にある銀色の箱状の部品(バラスト?)を外します(↓)
直前に外した配線はこの部品につながっています。
なお、ソケットと配線を分離しておかないと、ソケットが引っかかってヘッドライトユニットから外せません。配線だけにすることで隙間を通り抜けられるようになります。
下の写真のようにソケット側は結構大きいです。
取り付けは逆の手順でいいのですが、ガスケットを新品に交換しておきます。純正品番は、「33109-S6A-J71」
一体化して見えますが、外側の輪状のゴム(ガスケット)と内側のゴムは別物です(↓)
古いガスケットが見当たらない場合は、ヘッドライトユニット側に残っているかも(↓)
HID関連部品以外では、ウィンカーバルブとハイビームのハロゲンバルブを移植しておきました。中古のバルブがどのくらいの期間使用されているのか不明だからです。元々付いていた部品を使うことで左右の寿命を揃えます。
ウィンカーは反時計回りで外れます。並べてみましたが、刻印の位置や字体が違うのが面白い。
左がヤフオク中古に入っていたやつで、右が今まで使っていたやつ。どちらもスタンレーなので純正だと思いますが、製造時期が違うのかな?
ハロゲンバルブのほうは配線のコネクタを抜いて、金属の留め具を押し込んでずらせば外せます。
なお、このヘッドライトユニットのポジションランプは一体型なので交換はできません。
移植が完了したらヘッドライトユニットのフタを戻すのですが、ここのガスケットも交換します。純正品番は「33145-SFA-J01」(↓)
外した部品の取り付け
取り付けは取り外しの逆の手順なので、手短にまとめます。まずは部品の移植を終えたヘッドライトユニットを仮付けして点灯確認。
問題なく点灯したので固定。
新品ではないですが、ヒビがないだけで気分がいいです。なお、固定用クリップは新品に交換してあります。
クリップの純正品番は「91505-TM8-003」。全部で9個使いました。内訳は、ヘッドライトに1個、グリルに2個、バンパーのナンバープレート付近に1個、バンパー下に5個です。
余談ですが、ディーラーの見積もりに入っていた別のクリップ(下の写真の左)は使いませんでした。
ディーラーは違う方法で分解する予定だったのかもしれませんね。
グリルを取り付け(↓)
ボディのサビ処理をしてからバンパーを取り付け(↓)タイヤハウスのネジも忘れずに。
ナンバープレートがないほうがデザイン的にカッコいい気がします。特に黄ナンバーは目に付きますからね。ラグビーや五輪の白ナンバーを申し込んだ人の気持ちが分かりました。
軽自動車用の黄色い枠がない白ナンバーはもう手に入らないようですが、ご当地ナンバーや花柄、大阪・関西万博のミャクミャク仕様は入手が可能(2023年6月現在)
寄付をする場合はフルカラー、しない場合はモノクロの地味なナンバーが入手できます。少しでも白ナンバーに近づけたい人には、モノクロの方が人気ありそう。
なにはともあれ、ナンバーを取り付けたら組み立て作業は完了です。
組み立ての感想ですが、分解より何倍も簡単でした。基本的にツメをはめていくだけ。
工場における製造時の作業効率を考えた構造になっているのでしょうか? 分解の手間は考慮に入れず、組み立ての速さを重視しているのかも。
光軸調整について
ヘッドライトユニット交換後は、光軸がズレている可能性があります。ズレていると車検に通らないだけでなく、対向車に迷惑がかかるおそれがあります。
予備車検場(テスター屋)で調整するのもいいですが、壁に光を当てて自分で調整する方法もあります。特別な装置がなくても、ある程度の調整は可能です。
なお、詳しいやり方は本題から外れるので省略。ググれば解説がたくさん見つかるので、そちらを参照してください。当記事ではこの車種の調整ネジの位置だけ示します。
ボンネットを開けてヘッドライトユニットを上から見ると、光軸調整の向きを示した文字と矢印が刻印されています。
この印の奥を見るとそれぞれの調整ネジがあります。
分解時の写真で裏から見るとココとココ(↓)
工賃を払う価値はありそう
修理費用を安く抑えられたのは良かったですが、思っていた以上に作業が大変でした。ヘッドライトの交換なのに他の部品を大量に外す必要があり、工程が長かった。
また、バンパーのツメを壊さないよう外すのには神経を使いました。
今回のディーラー見積もりのように工賃が15000円程度で済むのなら、お店にやってもらう価値は十分あると思います。とはいえディーラーの場合、出所不明の中古部品の使用は拒否されるのが一般的。
気軽に頼める馴染みの整備工場があればいいんですけどね。筆者はオイル交換を自分でやりますし、これまで大きな故障もなかったので、整備工場との接点がないままです。
今回の作業の場合ディーラーの工賃は妥当だと思う一方、新品ヘッドライトユニットの部品代は高いですね。約5万するのは厳しい。これが2万だったらディーラーに頼んでいたと思います。
おわりに
バードストライクは運の要素が強く、ドライバーの運転技術で回避するのは困難です。相手が人間ではないので賠償金を請求することができないのも厄介。高速を走るのが怖くなりました。
再々衝突して修理することになると出費が馬鹿にならないですし、フロントガラスに当たれば乗員が怪我をするおそれもあります。
市街地を低速で走っている分には被害に遭う確率は低そうなので、基本的に近場でだけ乗ろうかなと考えるようになりました。
例のウイルスも一段落しましたし、遠出するときは鉄道など公共交通を利用するれば鳥に車が破壊される心配はなくなります。
先日、久しぶりに新幹線に乗りましたが、車で高速道路を走るより圧倒的に速いし、座席がリクライニングができるので快適でした。電車は寝ながら移動できるのも魅力ですね。
なお、ガソリン車は短距離走行ばかりだとエンジンに良くないらしい。遠出に公共交通を利用するのなら、将来的には電気自動車(軽か超小型)に乗り換えるほうがいいかもしれません。
電気自動車の弱点は、車両価格の高さを除くと、航続距離の短さと充電スポットが少ないこと。すなわち、遠出をしないのなら現在のスペックでも十分使えそうです。
オイル交換が不要だったり、ガソリンより電気のほうが安かったりするので、ランニングコストも抑えられそう。
まあ、修復不能になるまでは今の車に乗りますけどね。現状では補助金があっても電気自動車は高いし、気軽に乗り換えられるような資金力はないです。
あと、鳥と衝突したことで、ヘッドライト付近のボンネットが少し傷んでいる件ですが、板金の見積もりが8万円だったので自力で補修する予定です。
安いところに頼んでも最低5万はしそうなのでお財布に厳しい。板金って技術と手間が必要だからか結構高いんですよね。
DIYでは綺麗に直らないと思いますが、目立たない程度になればよしということで。