YB125SPのスイングアームに発生したサビを落とし、「シャシーコートブラック」で塗装した記録です。
スイングアームにサビ
チェーンメンテ時に発見。スイングアームの一部塗装が剥がれてサビてます。普段はあまり見ないところなので気づきませんでした。ここは地面に近い部分、跳ね上げた石などがぶつかって剥がれたのでしょう。
数箇所やられています。放置するとサビが進行してマズいことになるので対策をしましょう。
サビ落とし
まず耐水サンドペーパーの#100でサビをこすって落とします。今回はホルツのものを使用。
サビがあった部分だけでなく周囲の塗装も少し削れました。意外に狙ったところだけ削るというのは難しい。サビが深めの箇所は何度もこすらないと落ちませんでした。
サビが落ち金属面が見えます。
マスキング
サビを落とした後、塗らない部分をマスキングテープと新聞紙などで覆います。「シャシーコートブラック」は缶スプレーのため筆塗りとは違って周りに飛び散ります。
近づけて吹くと塗料が垂れるので対象から20~30cm離してスプレーすることになるのですが、結果として広い範囲に飛び散ります。念のため燃料タンクの辺りまで覆いました。
本当は分解してパーツ単位で塗装するのが良いのでしょうけど、かなり手間が掛かるのでそのままやります。
結構大雑把なマスキングです。削って金属面が出ていない部分は元の塗装に重ね塗りする形になります。手を抜いてます。本来はギリギリまでマスキングするか、元の塗装にヤスリがけして塗料が乗りやすくすべきなのでしょう。
シャシーコートブラックについて
シャーシブラックとも言います。その呼び方のほうが馴染みあるかも。クルマの下面やフレームに塗ってサビを防ぐ塗料ですがバイクや農業機械にも使えるはず。
色々なメーカーから出ていますが「5-56」でおなじみ呉工業のやつを使います。水性タイプ、そして安い。ホームセンターにて税込み500円以下で手に入りました。
「強力な耐水塗料皮膜でサビ・塩害をシャットアウト!」とのこと。
脱脂&塗装
塗装する面をパーツクリーナーで脱脂し布で拭き取ります。
脱脂にはパーツクリーナーよりシリコンオフのほうが良いとも聞きますが違いがよく分かりません。マイクロファイバークロスを使うと拭き取り後に繊維が残りにくいらしいです。
吹く距離が近すぎて少し垂れました。缶スプレーを使うのは久しぶりなので感覚がつかめません。
作業したのは冬。気温が低いと塗料の粒子が大きくなり垂れやすくなるそうです。そのうえ乾きにくい。
対策としてスプレー缶をお湯につけ温めておくのが良いと知りました。ガスが膨張して勢いが上がるそうです。(引火して危険なので火を使って温めるのはNG。)
やってみると確かに噴射の勢いが良く、粒子も細かくなって塗りやすくなりました。
塗装後のムラ
写真中央部の塗装にムラができてます。元の塗装と質感が違っており後から塗ったことが分かりますね。
実用上の問題はないと思いますが、見た目が気になるので表面を磨いてみることにしました。
表面研磨
使用したのは99工房のコンパウンドシート。サンドペーパー3000番相当です。スポンジの表面に研磨シートが貼り付けられていてそのまま磨けます。
SOFT99 ( ソフト99 ) 99工房 コンパウンドシート B184 09184
これが結構使いやすい。曲面に沿って磨けます。
ただし狭い隙間を磨くには大きすぎたのでカットして使いました。
完成
研磨したおかげで、後から塗装した部分が目立たなくなりました。そこそこ自然な感じです。
完璧とは言い難い仕上がりですが、あまり目に触れない部分ですし良しとしましょう。見た目はともかくサビ対策は問題なくできていると思います。
反省&改善点
筆塗りタイプの塗料にする
広い範囲を塗るわけではないので、スプレータイプを使う必要はなかったかもしれません。
ちょっとした塗装なら筆塗りタイプのほうが楽そうです。スプレーの時みたいに広い範囲をマスキングしなくても良いですし。
筆塗りタイプのサビ止め塗料(黒)がホルツから出てます。
サビ転換剤を使う
サビが無くなるまでサンドペーパーでゴシゴシやりましたが、ほどほどに落としてサビ転換剤を塗ったほうが良かったかも。化学反応で赤サビから防サビ皮膜を作ってくれます。
転換剤を使うと労力が減りますし、削りすぎてフレームの強度を下げる心配がありません。さらに、落とし切れなかったサビが他の部分に広がるのを防げます。
スプレータイプもありました。
パーツクリーナー等で落ちる
「シャシーコートブラックはパーツクリーナーで落ちる」というレビューを見たので実験してみました。(使用したのはブレーキクリーナー。パーツクリーナーとほぼ同じ成分だが樹脂への攻撃性が低いらしい。)
まず適当な金具をシャシーコート塗装。十分に乾かしてからブレーキクリーナーをシュッシュとやりました。
写真のように塗装が簡単に溶けます。
今回塗装した部分はチェーンの近く。飛び散ったチェーンルブをパーツクリーナーで落とそうとすると、塗装も一緒に剥がれてしまうんですね。気をつけたいです。
他の部分のサビ
スイングアームのサビ処理は完了しましたが、他の箇所にもサビが。
気になるのがマフラー、小さな点サビと溶接面に線状のサビが出てます。
落として黒の耐熱塗料を塗ることになりますが、マフラーの色がグレー寄りの黒なので塗った部分が目立ちそうです。マフラー全体を塗装するのは大変なのでどうしようか思案中。
チェーンカバーも点サビだらけ。メッキのくすみも合わさりエグい見た目になってます。見た目にこだわるならメッキを剥がして塗り直しですが、大変なので諦めました。
中途半端な品質のメタルパーツにするくらいなら樹脂製のほうが良かったです。最近の国内向けモデルは樹脂パーツだらけと批判されることもありますが、メンテナンスフリーという面では理にかなってるなと。
おわりに
外を走る以上、サビの発生を完全に防ぐのは困難です。見た目はともかく、バイクとしての機能を損なわないよう必要最低限のサビ対策は続けていきたいです。
※おことわり
素人が思いつきで行ったので、作業方法の正しさや効果は保証できません。当記事を参考にされる場合は自己責任でお願い致します。