これまでの道のり
高知を出発し、徳島からフェリーで和歌山へ。開通したばかりの鍋谷峠道路・父鬼バイパス(国道480号)を通って大阪へ抜け、国道170号バイパス(大阪外環状線)までやって来ました。
名古屋方面に向かって走れるところまで走ろうと思っていたのですがだんだん日が傾いてきて…
大阪外環状線で河内長野へ
国道480号から大阪外環状線へ入って河内長野方面へ走ります。国道170号のバイパスと言うだけあって片側2車線区間が多い流れの速い道でした。山を抜ける区間にはインターチェンジ方式の出入り口があり、高速道路のような雰囲気で興味深いです。
山を抜け河内長野の平野部に出ると、どこにでもあるような郊外型のロードサイド店舗が現れます。こういうチェーン店のおかげで日本中似たような風景になるんですよね~。知っている店に入れる安心感というのはあるんだけど、ちょっとさみしい感じもします。
富田林市の塔
国道170号バイパスをさらに進み、富田林市に入ると左手に白い異形の塔が現れます。野球のPL学園で有名なPL教団の建てた「大平和祈念塔」というものらしい。
凄くインパクトの有る形で夢に出てきそう。普通の街の中にそびえ立っているのがまた面白いです。独特の雰囲気が醸し出されています。
なお、岡本太郎やガウディとは無関係のようです。なんとなく作風が似てますけどね。
国道25号で奈良県へ
羽曳野市の古墳群を抜け国道170号バイパスをさらに北上。旧170号を経由し柏原という所から国道25号へ入ります。
しばらく大和川沿いの2車線道路が続きます。王寺駅付近で橋を渡り、川とはお別れ。
この先で国道25号は法隆寺の近くを通るのですが、残念ながら拝観時間を過ぎてます。遠くから眺めると五重塔の先端らしきものが見えました。
この辺りには法隆寺の他にもお寺や古墳など見所が多いです。時間が遅くなければ寄りたかったな。
まっすぐ行くと、「天理」「大和郡山」。
天理市で先のルートを考える
その後も国道25号を走る。気づけば天理市まで来ていました。
日没が近づいたので、どこまで進むか考えます。
名古屋と岐阜に行きたいが、今日中にたどり着くのは困難。とりあえず三重を目標に走って適当なところで泊まることにしました。
天理から名古屋方面に抜けるなら、名阪国道(国道25号バイパス)を使うのが一般的。しかし、名阪国道は自動車専用道路。原付二種のYB125SPには通れません。
並行する国道25号(旧道)は「非名阪」と呼ばれ「酷道」扱いされています。マニアに愛されるようなヤバイ道らしいので通りたくないなあ。特に日が暮れてから走るのは危険がありそう。
仕方がないので走りやすそうな道へ迂回することにしました。奈良市内を北へ突っ切り木津川沿いの国道163号(伊賀街道)を通ることに。ツーリングマップルによると快走路らしいので安心。
国道163号を使えば伊賀を経由して津まで抜けられます。
国道163号で伊賀へ
国道163号に入り伊賀に向け東に走る。周囲は暗くなり始めていました。
左手にすぐ山の斜面、右手に木津川という狭いスペースを抜ける比較的直線の多い道。他の道との合流が少ないので走りやすく、川風が吹いて涼しく森の香りもして気持ちがいいです。
日が暮れると雨のように虫が降り注ぎました。
ポツポツと音がするので雨が降ってきたのかと思ったんですが、どこも濡れていません。よく見ると大量の虫なんです。びっくり!
ヘッドライトの灯りに誘導されて突撃してくるのでしょう。メットのシールドにもぶつかってきます。明るい所で見ると酷いもので、メットやヘッドライトはつぶれた虫まみれ。ミラーやフロントフォークにも容赦なく虫、虫、虫です。
伊賀上野に到着
国道163号を30km程度走ると忍者で有名な伊賀上野に到着。ライトアップされた伊賀上野城が暗闇の中に浮かび上がって綺麗でした。
ショッピングセンターで休憩。夜の8時くらい。一日で四国からここまで来たので疲れが溜まってます。早く宿で休みたい…。
スマホで宿を探したのですが伊賀や津では安い所が見つかりません。部屋代自体は安くても駐車場代を取られる所も多いです。バイクもクルマと同じで1000円以上取られることがあります。
範囲を広げて調べると亀山に良さそうなホテルが見つかりました。ですが、伊賀から亀山に向かうには国道25号を通らなければなりません。名阪国道の方は125cc以下の二輪車通行禁止で、旧道は酷道の非名阪です。
迂回して国道163号で津に出てから亀山に回り込む方法もありますが、かなりの遠回りに。遅くなってチェックイン時間に間に合わないというリスクがあります。
悩んだ挙句、真夜中の非名阪に突入することを決めました。
ついに非名阪へ
伊賀上野中心部から東に走るとだんだん道沿いの店舗や車が減っていき、田園地帯のような所に出ます。暗くて良く分からないが街外れまで来たのでしょう。まだ酷道の雰囲気は無く、普通の2車線道路が続いています。
しばらく行くと上り坂になり山に入っていきます。このあたりまで来ると交通量がほとんど無くなりました。
街路灯も対向車も何も無くただただ真っ暗な道。こんな所でバイクが故障したらと思うと気が気でありません。ヘッドライトを明るいものに交換しておいて本当に良かったと思いました。
怖いのでギアを落として回転数を上げ、エンジン音で不安を紛らわします。結構うるさいので心が落ち着きます。お化け的なもの?も音に驚いて寄ってこないでしょう。
真っ暗な道ですが、操作を誤ると崖から落っこちるような道ではないのが救いです。「落ちたら死ぬ!!」看板のある酷道157号や、「ヨサク」として恐れられる439号とは違います。
山の中を走っていきます。センターラインこそ無いが行き違い困難なほど狭くもない中途半端な道幅の箇所が多く、時々2車線になります。
亀山市に入りました。この先が一番酷い区間でしたよ~。林の中のくねくねした坂道を下ると複数の大きな凹みができた道路に出ます。経験したことのないようなボコボコ路面です。
舗装が円形にえぐれていると表現するのが正しいかもしれません。道沿いに採石場があり大型ダンプが頻繁に出入りした結果らしいです。旧道なのでロクに補修も行われず、傷んだまま放置されているのでしょうね。重い車が通るなら直してもすぐ傷みそうですし。
荒れた道を過ぎるとJR関西本線の線路と出会います。電化されておらずディーゼル車が走るローカル線区間。このあたりから民家が現れちょっと安心です。
ただ道幅は狭く標識もないので国道25号を走っているという確信が持てません。変なとこに迷い込んでいたらどうしよう。と、思っていたらおにぎり標識が現れました。
ここから数キロ走ると国道1号に突き当たり、非名阪はそこでおしまい。無事に通り抜けられて良かったです。ホッと一息。
交差点には二輪車用の押しボタンがありました。人用はどこにでもあるけど二輪車用はめったにお目にかかれないですね。
国道1号 道の駅関宿
合流地点からほんの少し行った所にあるのが「道の駅関宿」。寄ってお手洗いを借ります。
駐車場にヤマハMT-09が停まっていたのでチラ見します。かなり大きく見えますねぇ!大型と言うだけのことはあります。特に上方向に大きく感じました。
YB125SPの約7倍(845cc)も排気量があるから当然速いしでしょうし、ロンツーも楽そうです。
小排気量は長い距離走るとかなり疲れるんですよね。交通の流れに乗るために結構回転数を上げないといけないので、音と振動で疲れるのだと思います。水冷ツインなら小排気量でも楽かも?
小排気量車の限界のようなものが実感として分かっただけに色々思う所があります。もっとパワーと快適性が欲しいかもなぁ。まあ、酷道を走るなら軽い小排気量車も悪くないんでしょうけど。
おわりに
この後国道1号を名古屋方面に進み、亀山市内の宿に無事到着しました。ゆっくり休みます。
夜中に酷道を走るのはこれで最後にしよう思いました。心臓に悪いです。事故もお化けも怖いです。
たとえ興味を持った人がいたとしても危険なので絶対におすすめしません。どうしても真夜中の酷道を走りたいという方は自己責任で!
次:亀山より迷いながら岐阜方面へ北上、墨俣一夜城付近まで【H29初夏ツーリング part6】