MTバイクのYB125SPにはスクーターと違って荷物を入れる所がありません。リュック背負って乗っていたのですがちょっと不便なので箱を付ける事にしました。
積載と言えばリアキャリアにトップケース(GIVI箱など)を付けるのが一般的ですが、横に積めるパニアケースにも興味があります。タオバオでYB用を検索してみました。
タオバオで検索
タオバオは中国の大手ショッピングサイト。ありとあらゆるものが出品されています。バイク用品も純正から怪しげな格安カスタムパーツまで何でも手に入ります。
中国語でパニアを何と言うか分かりません。とりあえず「YB125SP」や中国での愛称「天俊125」で検索。いろんな部品がずら~っと出ますねぇ。
その中からパニアケースを探します。中国語ではサイドボックスを「辺箱」と言うみたいです。YB125SP用のパニアケースは3種類くらい出品されていました。
出品者は沢山いるのですが、異なる出品者が全く同じ商品写真を使っていたりします。仕入元が同じなのか、それとも写真を無断転用しているのでしょうか。
向こうの商慣習はよく分かんないですねぇ。写真と違うものが届くことも覚悟する必要がありそうです。値段やデザイン、出品者の評価を基にどれを買うか決めました。
輸入代行業者を通す
タオバオの出品者から直接購入することも不可能では無いです。でも中国語で交渉したり海外配送に対応した店を探したりしなければならないのでハードルが高いです。
手数料は取られますが代行業者を利用したほうが楽だし安心。検品や価格交渉をしてくれる業者もあります。
ただこれ、業者が数え切れないくらい一杯あってどれを使えば良いのやら…。比較サイトもあるのですけど、手数料やサービスは似たり寄ったりで決め手に欠けます。結局、サイトのデザインがキレイで買い付けフォームが利用できる「タオバオ新幹線」を利用することにしました。
ついでに消耗部品とエンジンガードも注文しておきました。パニアケースは日本円で8000円ぐらい。全部合わせて12000円程度で済みました。商品自体は国内で買うより安いのですが、問題は送料。
なかなか高い国際送料!
EMS(国際スピード郵便)の送料が驚くほど高くついてしまいました。商品代金の約2倍、24000円以上掛かるという!
でかい物は海外から買うもんじゃあ無いですね。約23kgと6kgの2箱でこの値段。なお今回利用した代行業者が特別高いという訳ではないみたい。海外からEMSで大きい物や重い物を送ると普通それくらいは掛かるらしいです。
船便を利用すれば、EMSの6割程度の送料で済ますことができるようです(今回の代行業者の場合)。ただし、届くまで1ヶ月以上掛かります。
それでも船便にしとけばよかったかなぁ、急ぐもんじゃないですし。
でも届くのは早い!
EMSを高い高いと書きましたが実際スピードは大したもの。中国発送から約2日で到着です。これには驚き。国内の通販と遜色ない早さ。急ぐ人にとっては高い送料を払う価値があると思いました。
日本郵便のページで配送経路を確認してみると空港を経由しています。中国と日本の間には海があるので船を使わないなら航空機になりますよね。高くなるのは仕方がないのかな。
届いた商品を開けてみる
中国から届いた大きいダンボール箱2つは黄色っぽいガムテープで厳重に封をされていました(ぐるぐる巻き)。
カッターでテープを切って慎重に開けるとプチプチ(エアーパッキン)に包まれたパニアケースが入っています。中身が傷まないようしっかりと梱包されていて好感が持てます。
正式名称は不明ですが、転倒時にケースが割れないようにするガードです。パニアケースを車体に取り付ける役割もあります。中国語では「辺箱支架」というらしいです。ここでは仮に「固定用フレーム」と呼ぶことにします。
使い切れないくらい大量のネジ類が入っています。ウィンカー移設時に使う延長ケーブルもあります。
クオリティはイマイチ
全体的に作りが雑です(やっぱりな…)。上の写真の溶接もあんまり綺麗じゃないし、肝心のパイプ同士がずれています。固定用フレームの内部は空洞になっているのですが、穴から内部にかけてサビが出ています。
ケースの内側は無塗装。外側の塗料が少々散っています。
車体に取り付ける
まず銀色のフレームを車体に固定してからケースを取り付けます。
リヤサスを固定しているナットと、タンデムステップ脇のボルトで共締め。
やっぱり雑な作り
ポン付けできるのか怪しいと思っていたのですがやっぱりダメでした。固定用フレームの穴の位置がおかしい。と言うかフレーム自体が歪んでます。雑な溶接のせいだと思われますねぇ、コレは。
2箇所同時に固定しようとしても穴にボルトが入らないです。微妙に位置がズレています。仕方ないのでヤスリでフレームの穴をゴリゴリ削って広げました。
なんとか固定できましたが2点だけで支えるのは心もとないです。本来3点固定のハズですが、一箇所余ります。本体側に付けられるネジが無いんだよなぁ。マニュアルも無いし良く分からないのでお手上げ。
コレYB125SP専用とか書いてあったけど、別の車種の流用なのではないかと疑ってしまいますよ…。中華パーツだからあり得そう。
本体に付かないツメは、曲がった金属板(ネジと一緒に入っていたやつ)でリヤキャリアに固定するのかなと一瞬思いました。しかしサイズや穴の位置的に全然固定できません。
仕方ないので荷締め紐でリアキャリアと繋いでおきました。万が一の場合、走行中に脱落するリスクを減らせるでしょう。3点で固定するはずの所を2点で固定したので足りない分を荷締め紐で補うという理屈です。
リヤウィンカーをフレーム後方に移設
リヤウィンカーはすでにナンバープレート横に移設してあったのですが、パニアケースにぶつかってしまうので再び移設します。なんとも残念。せっかく苦労して移したのにまた配線やり直し。
電装をいじるのは苦手です。なんか壊しそうだし、ギボシはなかなか抜けないし。圧着も上手くいかないんですよね。使ってる電工ペンチがイカンのかな?
フレームにそのまま付けるとちょっとウィンカーが低過ぎる気がしたのでステーを使い位置を上に。
配線保護のためコルゲートチューブ(蛇腹の管)で覆うのですが、ギボシの接続部は太くなっていたので無理でした。管に入り切りません。
見た目は悪くなりますが自己融着テープでぐるぐる巻きに。雨水対策、ショートで壊れてもらったら困ります。
ケースをフレームに取り付け
ケースを固定するのに使えそうな穴が4つあるのですが、ケース側の穴は下の2つのみ。どういうことなのか謎です。やっぱり他車種からの流用品なのでしょうか?せめて説明書を入れておいて欲しい。
ケースの穴にグロメットをはめて、ボルトでフレームに取り付けてみます。
固定したのにゆらゆらと左右に動いてしまい不安定です。やはり4箇所で留めないとマズそう…。
仕方ないので自分で側面に穴を開けます。電動ドリルでゴリゴリと。
ボルトを通し、ケースとフレームの間にグロメットを挟んでおきます。ガッチリ固定すると振動・衝撃に弱くなりそうなので。グロメットが潰れることで力を逃がすのを期待します。要するにクッションになってもらうということ。
4箇所でケースを固定すると安定し良い感じになりました。これなら変にふわふわ動いたりしません。
晴れてパニア仕様となったYB125SPくん。
遠目に見る分には品質の低さが分からず割とカッコよく見えるのが面白いです。
パーツが余った
取り付けは完了したのですが部品が余りました。パイプはバイクの後ろ側で左右の固定用フレームを繋ぐのに使うようです。しかしフレーム間の幅が足りず入らなかったのでパス。
溶接がマトモでフレームが歪んで無ければ入ったんでしょうね。まあ、付けなくても使用上の問題は無さそうです。なお、固定用フレームが歪んでいるせいで後ろから見るとアシンメトリー(左右非対称)になっています。
曲げられた金属板のほうは用途が謎。余った3箇所目の固定穴と関係しているような気はしますが付いている所が想像できません。やっぱり他車種の流用品じゃないのコレ。中華部品はカオス。
おわりに
中華品質がどのようなものか身をもって知ることができたのは良かったです。作りは雑ですが安いし使えないことはないです。送料は高かったけどね。
ケースにはそこそこの量の荷物が入れられるのでツーリングの際に便利です。ただしフタの建て付けが悪く、注意して締めないとロックが掛けられない所は少々気になりますが。
このパニア、使えることには使えますが人にオススメしようとは思えないクオリティでした。中華パーツが全部低品質という訳ではないと思いますが、ハズレ率は高そう。タオバオで他の業者から買ったとしても、ちゃんとした物が届くという保証はありません。
そういう訳で、値段は高くても日本や欧米の信頼できるメーカーが作ったパニアを使ったほうが良さそうですよ。タオバオで買っても品質はアレですし送料が高いのであまりお得感はないです。
※追記
雨に濡れたらフタを固定する金具が一気にサビました。その程度の品質ですね、やっぱり。サビ止め塗装などの対策をしておかないとすぐダメになりそうです。
繰り返しになりますが、怪しい中華パニアを輸入するより国内で信頼のおけるメーカーのを買ったほうが良いと思います。YB専用品はなさそうなので、加工が必要かもしれませんが。
※さらに追記(2021年9月)
似たような商品がアマゾンに出品されているのを発見しました↓
出品者は中華業者ですし、国内のアマゾン倉庫ではなく中国から直送されるようです。輸入代行業者を通さなくても良く、送料込みでも3万未満なのはメリットかな……。色もたくさんあるようです。
なお、車種専用設計ではなく汎用品として売られています。レビューによると、ほぼすべての車種に装着可能らしい。品質は不明ですけどね。