燃料漏れの修理とタンク内のサビ取り【YB125SPメンテ】

バイクメンテ
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良い季節になったので修理をする

新車で買ったYB125SPですが、半年程度で一部に不具合が発生、修理する必要が出てきました。ある程度覚悟はしていたのですが、安い中華バイクの品質はやはりこの程度かとちょっと残念。金属パーツはすぐ錆びますし。

ジョウゴと携行缶

不具合というのはタンクと燃料コックの間からのガソリン漏れ。量は少ないけれど臭いがするし、引火すると危険です。応急処置だけして寒い冬の間は放置していたのですが、暖かくなったので本格的に修理を始めることにしました。

花粉の飛散が終わる頃までに一通りのメンテを完了するのが目標です。タンク内に軽いサビを発見したのでついでにその除去も行います。

燃料漏れの原因はおそらく燃料コックのガスケット。質の低いゴムが使われているせいか、劣化して性質が変わり密封できなくなってしまったのでしょう。

YB125SPオーナの人達のインプレによると、全体的にゴム部品の質が低いらしいです。ガスケットは重要な部分だと思うので、もう少し品質の良いものを使ってくれたらなあと。

修理、取替が面倒くさい部分なんですよね、ここのガスケットは。タンク外すか燃料を全て抜くかしないといけません。

今回は薬品でタンク内のサビ取りもやるので燃料を全部抜くことになります。

作業開始、まず燃料抜き

そういう訳でガソリン携行缶を準備。燃料を抜きます。気化したガソリンは火種があると激しく爆発するらしいから怖いんですよね…。まぁ、爆発してくれるおかげでエンジンが動くのですけども。

できればやりたくないですが、バイク屋に頼むと結構お金が掛かりそうなので自分でやります。火気厳禁です。電気火花も危ないので発生させるおそれがあるものは近くに置かないようにしました。

燃料を抜くには、コックにチューブをつなげてガソリンを携行缶に誘導するというやり方もあるようですが、今回はジョウゴ(100均製)を使ってみました。

コックから流れ出る燃料

引火するほど静電気が発生したりはしないと思いますが、安全なやり方かどうかは分からないです。

ガソリンは非常に危険なので心配な方はショップ等に頼んでやってもらって下さい。このブログのやり方を真似して引火、爆発などしても一切責任は負えませんのであしからず。

リザーブにしておくと下の方の燃料まで抜くことができます。ただしコックが付いたままではガソリンを完全に出し切ることはできません。

タンクを外す

ガソリン、コックをつけたまま抜ける分は抜いたのでタンクを外します。

タンクを固定する六角ボルト

サイドカバー、シートを外すとタンクを固定している六角ボルトが見えます。コイツを緩めてやれば外れるのですが注意点があります。

タンクからは「チャコールキャニスターへの管」「燃料計の配線」が出ています。タンクに触る前に「管」を抜いておいたほうが良いです。

気付かずタンクを持ち上げたら管を止めているクリップがどこかに飛んで行ってしまい注文し直す羽目になりました。
(ヤマハ純正品番:806-24356-00)

管を固定しているクリップをつまんで緩めれば抜けます(写真はすでに抜いてある状態)。
チャコールキャニスターの管接続部

一方、燃料計のコネクタはタンクをずらしてからでないと外しにくいと思います。

燃料計コネクタ

外したタンクは傷がつかないようダンボール箱に置きました。

燃料コックも外し残りの燃料を抜く

燃料コックを付けたままではガソリンが全部出切らないので外します。ネジを2つ外せば取れます。

コックが付いていた穴からたらーっとガソリン流れ出るのですが、結構ゴミが入ってるんですよコレ。黒くて小さいチリみたいなやつ。何のカケラでしょうか?黒いから工場で外側を塗った時の塗料のカケラのようにも思えるけど、中に入り込むものでしょうかね?

なお、燃料コックにはフィルタがあるのでゴミなどがキャブの方に流れて行くことはありません、安心!。

今回はコックを外して直接タンクからガソリンを抜いてるので不純物(チリ)が携行缶に入ってしまいました。燃料を再利用する前にろ紙か何かを通して除去しないといけないのが面倒です。

ちなみに燃料コックのガスケットを交換するだけならタンクを外してひっくり返し、コックを外すだけでOK。燃料を全部抜かなくても大丈夫です。手間が違いますね。

中性洗剤でタンク内の油分を除去

タンク内に油分が残っているとタンククリーナーの効果が落ちるようなので、台所用中性洗剤と水でよく洗います。パーツクリーナー原液を使っても良いらしいです。

コックが付いていた穴にフタをする

外した燃料タンクとコック
バイク用のサビ取りクリーナーを使うのですが、タンクに注入すればすぐサビが取れるというものではなく、数時間入れたままにしておく必要があるようです。その間液が漏れ出さないようにコックが付いていたところの穴を塞ぎます。
燃料コックが付いていた穴を塞ぐ
ホームセンターで入手した金具とゴム。ネジは元から付いていたやつです。

ゴムにネジが通る穴を綺麗に開けないと隙間から液体が漏れてきます。実際漏れてきてしまいました…。ピッタリネジが通るサイズに穴あけできれば良いのですが難しい。

ピッタリに穴を開けるのは諦め、布とガムテープで隙間を塞ぎました。完全に止めることはできませんでしたが漏れるスピードをかなり遅くすることはできました。作業終了まで水位がほとんど下がらなかったので良しとします。

(ただのガムテープではなく防水テープやダクトテープを使ったほうが良かったかもしれません。できればのりが残らないタイプを選びたいです。)

タンククリーナーの説明には、燃料ゲージを外すようにと書いてあるのですが、外した後の穴を塞ぐ方法が思い浮かばなかったので付けたままやります。

燃料の量を測る「浮き」が入っていますが、今回のクリーナーは中性の薬品なのでそう簡単にダメになることはないと思います。壊れたら壊れたで仕方ありません。元からあんまりあてにならない燃料計ですし、FI車と違ってリザーブもあります。

※今回は大丈夫でしたが、壊れるおそれがあるので自己責任でお願いします。

お湯で薄めたクリーナーを入れる

今回使用したタンククリーナーは、「AZ M0rs-001 バイク用タンクサビ取りクリーナー」。メーカーや商品によって使い方が違うので説明書を読みます。

AZタンクサビ取りクリーナー

指示通り50℃くらいのお湯で10倍くらいに薄め、最後のすすぎ用に1Lくらい残しておきます。水用のポリタンクを買ってきてその中でお湯と薬品を混ぜ合わせました。

ポリタンク

後はタンクに注ぎ入れて数時間放置します。ここで少々問題発生。チャコールキャニスターへ行く管がつながっていた穴から、液が漏れています。急遽、布とガムテープで塞ぎます。あらかじめやっておくべきでした。

軽いサビなので3時間程度放置。漏れた液でタンク外側に影響が出ないよう、水を入れたペットボトルに乗せて底を浮かします。

クリーナーを入れタンク放置

液を抜き洗って乾かす

数時間放置し、見える部分のサビは取れたようなのでクリーナー液を抜きます。液はポリタンクなどに保管すれば再利用が可能です。

ホースの水流でタンク内部をザバザバ洗浄。綺麗になったらはじめに分けておいた液1Lですすぎます。そうすることでサビ止めになるらしいです。

液を出して乾燥させるのですが、タンクは閉じた形状をしているのでなかなか乾きません。残った水分でサビるのが怖いのでドライヤーを使って熱風を送り込みます。タンク表面がアツアツになるので気をつけましょう。

あとは自然乾燥。しっかり乾いたのか分からないから少々不安です。クリーニングしたせいでサビを増やしてしまっては本末転倒ですからね。念のためガソリンを入れる際に、サビ止め成分配合の水抜き剤を使うことにしました。

燃料コックのガスケット交換

燃料コックのパッキン

これは簡単。タンクから取った燃料コックから古いガスケットを外し、新しいものと取り替えるだけ。とは言え、YB125SP標準のガスケット(4FP-F4512-00)は国内では販売終了しているようなので他車種から流用します。

YB125SPと同型のエンジンを積んでいるTT-R125のパーツリストを見てみました。燃料コックの形は若干違うものの、ガスケットは同じ形で使えそうだったので注文しました。これはメイド・イン・ジャパンだからそう簡単にはダメにならないでしょう。

品番:4X8-24512-00
※ググってみたところTT-R125以外にも複数のヤマハ車で共通の部品のようです。

ガスケット5X8-24512-00

古いガスケットには細かい亀裂が沢山入っていて、触ってみると固い感じ。劣化して柔軟性が失われていることが分かりました。サイズも新品に比べ若干縮んでいます。これでは密封できずガソリンが漏れるわけですね。

TT-R125などに使われているガスケットが問題なく取り付けられました。よく乾かしたタンクにコックを装着し、ガソリンを入れましたが漏れてくることはありません。修理成功、めでたしめでたし。

ガスケット交換後のコック

(おまけ)コーヒーフィルターでガソリンを「ろ過」してみた

上にも書きましたが、タンクから抜いたガソリンに黒く細かいチリが沢山入っていました。コックにあるフィルタのおかげでキャブの方に流れることはないものの、そのままタンクに戻すのは気分が良くないので「ろ過」します。今回は、ろ紙よりも入手しやすいコーヒーフィルターを使いました。

給油口にじょうごを挿し、コーヒーフィルターを広げた上からガソリンを注ぐだけ。ちゃんとチリをキャッチしてくれて、ガソリンも無事浸透しました。沢山の量を通して破れそうになった時は交換すればOKです。

コーヒーフィルターで「ろ過」

コーヒーフィルターは問題なくガソリンの「ろ過」に使えるようです。

なお、ガソリンは引火性で非常に危険なので、取り扱いには細心の注意を払いましょう。

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