YB125SPの前輪から低速走行時にキーキーと音がするようになりました。
原因がよく分からずしばらくそのままにしていたのですが、ある時「メーターギアのグリスが切れると音がするようになる」というオーナーの方の書き込みを発見。
これかもしれないと思い、メーターギアを分解してグリスアップしてみました。
さらにクラッチレバーが少々固い感じだったので注油をしました。その際の作業記録です。
メーターギアの位置
今回グリスアップするメーターギアとは、前輪ホイールに付いている速度計測用ギアのことです。スピードメーターギア。
メーター内部のギアが同じ呼ばれ方をしていることがあり紛らわしい。
ホイールとフロントフォークの間に付いているコレですね。
外すとカップみたいになっていて、ケーブルでスピードメーターと繋がってます。パーツリストによれば、このカップの部分を「メーターギアユニット」と言うみたいです。
詳しい原理は知らないですが、ホイールの回転に応じてケーブル内のワイヤーが回転することで速度を伝えているのかな?
アクスルシャフトを抜き前輪を外す
前輪のアクスルシャフトを抜くためには17mmと19mmのメガネレンチが1本ずつ必要。19mmのナットの方だけ緩めようとしても空回りしてしまうので、アクスルシャフト側(17mm)にもレンチを使い動かないようにします。
リアキャリアに重いものを載せると前輪が浮くので簡単にホイールを外せます。また、ブレーキキャリパーを外しておいたほうが作業しやすいです。
キャリパーを付けたままやったらホイールを戻す時大変でした。隙間にうまいことディスクローターを通してやらないといけません。
次にナットを取って、アクスルシャフトを抜きます。
これがメーターギアユニット。この中に入っているギアがメーターギアです。
ケーブルはメーターギアユニットのネジが切ってある部分に繋がっていました。
パーツリストと実車の食い違い
パーツリストを見ると少々気になる点が。
実車とナット位置が逆になっているんですけど、それは大丈夫なんですかね…。実車は進行方向左側(メーターギア側)がナット、右側(ディスクローター側)がアクスルシャフトの頭になっています。
これって逆でも実用上問題ないのでしょうか?今のところ不具合は起こってないけれどちょっと気になります。
大丈夫だとは思いますが、万一ナットが緩みやすくなって走行中に外れたりするのだったら洒落になりませんねぇ。まずあり得ないでしょうけど。
ウレアグリスを塗る
メーターギアには青っぽいグリスが塗ってありました。見た感じグリス切れと言うほど減ってはいないようです。それでも異音がするのが不思議。どこから鳴ってるんだろう…?
塗ってある青いグリスにパーツクリーナーを吹きかけ、綿棒や布で拭き取ってから新しいグリスを塗り直します。
AZのウレアグリスを使用しました。ウレアグリスは、万能グリスと呼ばれるリチウムグリスよりさらに優れているらしいです。熱や圧力等々に強く、その分少しだけ高価。
カップ状のギアユニットに粘度高めのグリスをたっぷり注ぎます。グリスガンが無いので塗りにくい……。ケチらず一緒に買っておけばよかったと。
アクスルシャフトにもグリスを塗り、ホイールを組み直せば作業完了。
作業を終えてから思ったのですが、ケーブルを外せば接続部からギアユニット内にスプレータイプのグリスが吹けるかもしれません。そのやり方ならホイールを外さなくても注油できますね。
スプレータイプのグリスは粘度の高いウレアグリス等と比べて持ちは悪いでしょうけど、頻繁にスプレーするなら大丈夫かも。
※試していないので効果は保証できません。試される方は自己責任でお願いします。
クラッチワイヤーの注油
YB125SPのクラッチは新車で買ったときから固いなと思っていました。注油で軽くなるかもしれないのでやってみます。
注油にはワイヤーオイルやシリコングリスのスプレーを使うと良いらしいです。
クラッチレバーの端を覆っているカバーをずらすと、遊び調整用のアジャストナットとロックナットが見えます。今回はワイヤーインジェクターを使うのでレバーを外す必要あり。矢印のネジを緩めると外せます。
こうなって、
こう外れます。
ワイヤーインジェクターを取り付けて、穴にスプレーのノズルを挿し注入。
シュッシュと吹くのですが隙間から漏れる漏れる。
ちゃんとワイヤーの奥まで油が浸透しているのか怪しいです。ほとんど手前で漏れ出ているんじゃないのかと…。
使い方を間違ってるのかもしれませんが、どうも駄目っぽいので他の方法を試すことに。
クリアファイルとガムテープで注油
カットしたクリアファイル巻いてガムテープで固定、内側にシリコングリスを吹き付けます。小刻みにシュッシュと。
このツール(?)は、安っぽい見た目ですが効果は抜群。しっかりワイヤーのエンジン側まで油が来ていることを確認。少ない漏れで注油することが出来ました。
ワイヤーインジェクターを使うより効果的でした。なお、この注油法は筆者の思いつきではなく、メンテナンス本に書いてあったやり方なので信頼性があると思います。