しまなみ海道とは
「しまなみ海道」は本州の広島県尾道と四国の愛媛県今治を島伝いに結ぶ道です。全長約60kmで瀬戸内海を渡ります。
正確には西瀬戸自動車道、生口島道路、大島道路という自動車専用道路の総称です。
地図にはおにぎりマーク
地図によっては国道317号のおにぎりマークが描いてあります。
どうも一般国道317号の有料バイパスという扱いになっているみたいです。
そのことを気にして通る人は少ないでしょうけど。
原付二種でしまなみ海道を走る
しまなみ海道は自動車専用道なので原付二種のYB125SPは通れません。ではどうやって「しまなみ海道」を走ったのか?
橋の部分は通れる
実は橋の部分だけ通れるようになってるんです。橋には高速で流れている自動車専用道とは分離された自転車歩行者道があります。125cc以下の原付バイクと自転車、歩行者のための道です。
ちなみに自転車歩行者道を更に細かく分類すると、
「原付と自転車が同じところを通り、歩行者と分離されている区間」と、
「自転車と歩行者が同じところを通り、原付道が別にある区間」に分かれます。
島内は下道で
自転車歩行者道があるのは橋の部分だけなので、島内では下道を走ることになります。島内の下道ですが交通量が少なく信号もあまりないので走りやすく、景色も良いです。
ツーリングマップルで島内主要道の多くが快走路を示す紫で縁取られていることからも分かりますが、走って気持ちのよい道です。
通行料について
通行料は橋によって異なり50円から200円まで。全部の橋を渡ると合計500円です。
小銭かチケットを準備
料金所は無人でお賽銭箱のようなものが置いてあるだけの所が多く、小銭に両替できませんでした。あらかじめどこかで崩しておいたほうが良いでしょう。
もしくは原付チケットという1枚50円で10枚綴りの券があるので、買っておくと便利だと思います。
販売場所はJB本四高速のページの「回数通行券等」の所に書いてあります。
外部リンク:自転車歩行者道 | 料金・道路案内 | JB本四高速
万札しか無かったら困る
手持ちが1万円札だけだったら大変です。通行料を払わないわけにも行きませんし、どうすればいいんでしょうね一体。通行料50円の橋の料金箱に1万円を放り込むのは辛すぎます。
私が通った時にはたまたま小銭を持っていたので問題なく払えましたが、危ないところでした。
※料金やシステムは変更になる可能性があります。JB本四高速のページでご確認をお願いします。
橋の入り口は事前に要チェック
自転車歩行者道は入り口が分かりにくいです。自動車専用道のインターチェンジとは全く別の場所にあります。
案内の看板は出ているのですが、自転車歩行者道は道幅が狭い上、何でもない所にあるので目立ちません。
橋によっては民家の横から自転車歩行者道に入ることもあります。すんなり進入したければ事前に調べておいたほうがいいかもしれません。
上のストリートビューは向島の因島大橋「原付・自転車歩行者道」入口です。
入り口がわかりやすいマップ
「しまなみジャパン」というサイトの
「サイクリングマップ」では、
自転車歩行者道の入口が、地図と写真を使い分かりやすく案内されています。(pdf1枚目の右端)
沿線自治体を中心に構成された組織「しまなみジャパン」が運営しているサイトなので、信頼性が高そうです。
(2022年5月追記:「SHIMAP しまなみ海道観光マップ」はリニューアルされ「しまなみジャパン」というサイトになったようなので、サイト名とリンクを変更しました)
旅の記録
暗いうちに出発
尾道の隣の福山市で宿泊し、まだ暗いうちに出発しました。秋の朝方は冷え込んでいて、露でバイクがベタベタになっていました。サビの原因になりそうで嫌ですねぇ…。
チョークを引いて始動、空いた国道2号線を尾道へ走ります。125cc以下のバイクが始めに渡るのは尾道大橋です。
尾道大橋は普通に車も通れる下道の橋なので自転車歩行者道はありません。通行料は無料。隣には自動車専用道の「新」尾道大橋が架かっています。
ぐるっと円を描いて橋まで登っていきます。暗闇の中、海を渡りますが、見えるのは人工の光だけ。海風で体が冷えます。
向島での朝焼け
向島(むかいしま)へ着き橋から降りた所にバス停がありましたが、この時間帯はバスの便がないようです。寒いので止まって暖かい服を重ね着。
まだ辺りは暗闇。次の橋を目指し国道317号で島を縦断、海に突き当たります。
海沿いの道を走っていると少しずつ周囲が明るくなってきました。朝焼けと船や島々のシルエットが美しいです。
因島大橋の入口へ
停車して景色を眺めていたのですが、因島大橋の入口がすぐそこにあることに気づきました。
原付や歩行者用の道は、山の斜面に作られた緩やかな坂を右に左にくるくると曲がりながら橋へと続いています。他では見られない風景です。
この橋の自転車歩行者道は下の層にあり、上を自動車専用道路が通っています。道幅は広くなく、原付二台が行き違うのが限度でしょう。
他の橋の自転車歩行者道もだいたい同じくらいの幅です。他の通行者と接触すると危険なのであまりスピードを出さないほうが良いと思います。制限速度は30km/h。
因島から次の橋を見る
因島大橋を渡り終え因島に到着。西の海岸沿いに次の橋へ向け走ります。周囲がまた少し明るくなりました。生口橋(いくちばし)手前のコンビニで休憩。
さらに橋に近づいて撮影。
YB125SPのリアキャリアは大きいので荷物を積みやすいです。フックも掛けやすい。今後は箱を取り付けさらに積載量を増やす予定。
生口島からの多々羅大橋
生口島へ渡りました。次の橋は大三島(おおみしま)へと繋がる多々羅大橋。
大三島からの多々羅大橋
大三島に渡り反対側から多々羅大橋を撮影しました。
上の写真を撮影した場所は「道の駅 多々羅しまなみ公園」。ここには外国人自転車乗りの方もいました。「しまなみ海道」は自転車乗りの間で人気があるらしいですが、海外でも有名なのでしょうか。
写真がない…
この後、大三島橋→大島大橋→来島海峡大橋と旅は続くのですが写真がありません。今になって撮らなかったことが悔やまれます。
橋の全景のほか料金所や自転車歩行者道の写真も撮っておきたかったですね。
撮れなかったのは、その日のうちに四国の目的地に到着しなければならず、急いでいたのが理由。四国の山奥で周囲が真っ暗になるのが怖かったんですよね。
時間に余裕があれば撮影だけでなく島の観光もできたのですが。展望台や美術館、温泉など観光スポットはたくさんあるみたいです。
来島海峡大橋を通り四国へ
尾道側から走ると最後の橋になる来島海峡大橋は三つの吊り橋から構成されています。
距離が長く、周囲に視界を遮るものがありません。海の上を飛んでいような感じを味わえました。高所恐怖症の人にはちょっと怖いかもしれません。
島で見たバイクについて
スクーターいっぱい
自転車歩行者道や島内で見かけたバイクはほとんどが125cc以下のスクーターでした。
乗っているのは島の住民の方だと思います。瀬戸内は雨が少ないので快適に乗れる日が多そうで、ちょっと羨ましいです。
大きなバイクはスルーしてるかも
大排気量バイクの多くは高速区間を走って島を素通りしているものと思われます。
途中の島のインターチェンジは、橋のたもとではなく内陸部にある場合が多いのです。
したがって、車や大排気量バイクでは島の部分だけ下道を通るというのがやりにくくなっています。特別に用事がないと下に降りてこないのでしょう。
途中の島を見て回りたかったら125cc以下のバイクか自転車が良さそうです。高速で通り抜けるのとは違った楽しみ方ができるでしょう。
VOXが速かった
印象に残っているのが異様に加速の良いヤマハVOX。
信号待ちで並んだ後、凄まじい加速で筆者のYB125SPを引き離し遥か彼方へ去っていきました。50ccスクーターのVOXがここまで速いのは驚きです。
後でスペック表を見ましたが、ごく普通の4スト水冷原付でした。以前のモデルは現行より馬力があるようですがそれでも5.2ps
。CVT(無段変速機)が加速に有利なのは知っていますけど、こんなに速いものでしょうか。
エンジンのチューニング、ボアアップやエンジン載せ替えなどをしていたのでしょうか。今となっては分かりません。単に空冷のYB125SPが遅いだけなのか自分の運転が下手なのか…。
おわりに
みんなに優しい道
「しまなみ海道」は原付や自転車、歩行者にも優しい素敵な道だと感じました。
本州と四国を橋で結ぶルートは「しまなみ海道」を含め3つありますが、排気量や人車を問わず通れるのはここだけです。
他のルートを見てみると
本州と四国を結ぶ一番東側のルート、「神戸淡路鳴門自動車道」(神戸~淡路島~徳島)は普通の自動車専用道。125cc以下のバイクや自転車歩行者は一切入り込めません。
途中の淡路島へは、本州側からならば125cc以下のバイクも船で渡れます。しかし、淡路島から四国へ渡る船は現時点で存在せず、原付二種ではツーリングのルートにしづらいです。
真ん中の「瀬戸中央自動車道」は鉄道線路は通っていること以外は変わりません。
違う季節にまた
穏やかな瀬戸内海と南国風の植物を見ながら旅をするのはなかなか良いものでした。心が穏やかになります。
今回は秋だったので、次は春か初夏に訪れて島内をゆっくりと観光したいです。見ていないスポットはまだまだ沢山あります。