キャブヒーター無しでアイシングを防げるか考えた

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冬本番、寒い日が続くのでYB125SPのアイシング対策をしたいと思っています。この車種は構造上アイシングを起こしやすいみたいなんです。

キャブヒーターを取り付けるのが定番なんですが電装系を弄る必要があるので自分には難しそう……。何か他の方法がないか考えました。

※おことわり

  • キャブヒーターの具体的な取り付け方は書いていません
  • 冗談みたいな方法が含まれています
  • 紹介する方法の安全性は保証できません
  • 余談が多いです(インジェクションやYBRの話など)

アイシングとは何か調べました

冬になるとアイシングという現象が発生しやすくなるらしいです。実際に体験したことはないですが、発生するとヤバそうなので先手を打って対策したいと思います。

アイシングとは、以下のような現象です。

  • 取り入れた空気中の水蒸気が冷やされキャブレター内で凍結、燃料供給に問題が出る
  • 「気温」が低く、「湿度」が高いと起こりやすい
  • 走行中にエンストする
  • 場合によっては開けたスロットルが戻らなくなることもある

走行中にエンストすると困りますし、スロットルが戻らなくなるのはとても危険。暴走してしまいますから。

アイシングを防ぐために、キャブヒーター(正確にはキャブレターヒーター)という装置が存在します。電気を使って発熱しキャブレターを温めるというものです。

元から付いている車種もありますがYB125SPには付いていません。

YB125SPに後からキャブヒーターを取り付けることは可能です。キャブレターを加工せずに取り付けられるパーツが販売されているようです。

とはいえ、取り付けるには燃料タンクを外し電気配線に手を加える必要があります。配線をいじるのには抵抗があるんですよね。電装系はなんだか壊しそうで怖いです。

以下少々余談が続きます。インジェクションやYB、YBRに関する話です。

アイシング対策の本題へジャンプする場合はこちら

FIとキャブレターの話

余談ですがフューエルインジェクション(FI)は優秀だなぁと思います。

気温、湿度、気圧などに応じて燃料の噴射量を制御、寒くても一発でエンジンが掛かります。もちろんアイシング知らず。

さらに排ガスがキレイな上、燃費も良くなります。

最近のバイクはほぼすべてFI化しました。性能向上のためと言うより、環境規制へ対応するためみたいです。基準がすごく厳しくなってますから。

FIとキャブレターの乗り心地

※以下は非常に主観的な印象です。筆者は、バイク初心者で多くの車種に乗ったわけではないので参考程度にどうぞ。

FIの原付スクーターに乗ったときの感想ですが、スロットル開度にぴったり対応するようにエンジンが回りました。

じわじわっと開けていくとじわじわっと滑らかに加速することができます。アクセルに対する反応が俊敏かつ繊細で流石コンピュータ制御という感じ。

教習車のCB400SFもFIでした。吹け上がりの良い4気筒車ということもありますが、アクセルに対する反応が鋭かったですね。

一方、キャブレター車のYB125SPは、スロットルを開けてもすぐにはエンジンが反応しません。ワンテンポ置いてからドッと一気に加速する感じ。

もう慣れましたが乗り始めはかなり違和感がありました。それまでに乗ったことのあるバイクがキャブレター車でなかったせいですね。

(※レスポンスにはエンジンの水冷、空冷による違いもあるかも)

キャブレターのYB125SPに乗って、なんというかアナログ感に驚きました。キャブレターの愛好家は逆にそういう乗り味が好きなのかなと思います。

キャブレターの方式

とはいえ、キャブレターにも複数の方式があり、それぞれ乗り心地の違いがあるようです。

YB125SPには標準で負圧式キャブレターが付いています。これを強制開閉式に取り替えるとレスポンスが良くなるらしい。

ただ強制開閉式にも弱点があり、丁寧に操作しないと息継ぎしたりギクシャクするとか……。それぞれ長所短所があるようです。レースなどではなく普通に街乗りする分には負圧式のほうが扱いやすいので普及したらしい。

なお、詳しい情報は、キャブレターの調整・交換の経験が豊富な、ベテランの方のブログなどを確認することをおすすめします。かなり奥深いようです。

FIは高価

FIを採用するとキャブレター車に比べて車両コストが増えます。コンピュータが入るわけなので当然ではありますが。

修理もキャブレターよりお金が掛かります。キャブレターと違い部品単位で直すことが難しく、まるごと交換になることが多いようです。そうすると結構な出費になりそう。

格安中華バイクのYB125SPがキャブ車なのは、当たり前と言えば当たり前です。FIにすると15万円~という破格の安さでは販売できないでしょう。

ちなみにYB125SPとほぼ同じエンジンを積んでいるYBR125は、YSPがインジェクション仕様を販売していました。

YBR125のFI仕様は税込みで約26万~28万円(年式によって価格が異なる)。対してキャブ仕様は16万~20万円くらいで買えます(※2017年1月時点)

なお、YSPモデルはFI化以外にも数カ所改良されているらしいです。その分のコストアップもあるので単純な比較はできませんが、FI仕様は高くなってますよね。

冬季の使いやすさ等

足として使うのならFIがあるYBR125を選んだほうが楽かも。冬場に始動性の悪さやアイシングで悩まされることがないですから。

FIの場合エンジンを掛けたらすぐ出かけられます。(といっても、冬場に暖気せずいきなり走り出すのはエンジンに悪そうですが……)

キャブレター車だと冬場はチョークを引いて始動、数分間暖機してから走り出さないとエンストします。また、たとえ暖機をしていてもアイシングは防げません。

YB125SPやYBR125の一部年式は構造上、エンジンの熱がキャブレターまで伝わりにくいからです。他の車種には暖機で対策できるものもあるようです。

なお、YB125SPはYSP仕様がないのでFI車は存在せず、キャブレター車のみです。

とはいえ寒い時期以外はさほど不便ではないので、見た目が好きならこっちでも良いかなと。アイシング対策をしたうえで、数分間の暖機を我慢できればOKです。

あと、キャブレター車は燃調をいじったりしやすいです。別の種類のキャブレターに交換もできます。FIは便利な分、自由度が下がりますね。

(※国内正規販売されている車種には、FIの燃調をいじれる社外部品が出ているものもあります)

キャブヒーターを使わずにアイシングを防ぐ方法を考える

やっと本題です。どうにかしてキャブヒーターを使わず対策できたらいいなと思い、調べたり考えたりしました。

使い捨てカイロを貼り付ける

キャブレターに使い捨てのカイロを貼るという対策は、一部で昔から行われているようです。ネットで検索すると体験談を読むことができます。

これを行う際の注意点ですが、走行中、カイロが振動や風で剥がれ落ちないように固定する必要があります。針金やガムテープを使うのがよいでしょう。

最近の使い捨てカイロは袋を開けてから結構長く持ちますし、値段も安いのがメリット。

寒い時期たまにしか乗らない場合や、応急処置的に行うならこれでいいかも。キャブレター周りにガムテープの粘着部分が残ってベタベタになりそうなのが難点ですが。

細工をしてエンジンの熱をキャブに伝える

エンジンとキャブの間に金属の板などを渡し、熱がキャブまで伝わるようにしたら良さそう。

YB125SPがアイシングしやすいのはエンジン~キャブ間のパイプ(インマニ)が金属製では無いせいだと言われています。

熱伝導率の低い樹脂を使っているからエンジン熱がキャブまで十分に伝わらないみたい。

YB125SPのキャブ-エンジン間のパイプ

熱伝導率が高く手に入れやすい銅の板でも買ってきて、針金などでパイプにくくりつけるといいかもしれません。

他車種流用で金属製のものに交換できれば一番スマートですが、どの車種のが使えるか分かりません。年式の古いYBRは金属だったようですがキャブの形式が違ってダメかも。

せっかく熱源があるのに利用しないのはもったいない気がするんですよね。電気を使わずに暖められるならそれに越したことはないです。

ネットを見てみると、銅線(VVFケーブルなど)を使ってエンジンとキャブの間を繋いでいる方もいました。

(追記)
実際に銅板でやってみました……が、このやり方ではダメでした。銅に加えて、何らかの工夫が必要です。

関連記事:銅板でアイシング対策ができないか試してみた

エンジンとキャブの周りに覆いを付ける

銀マットやプチプチ、断熱材で、タンク下キャブ周囲の露出している部分をぐるっと覆います。

キャブが風で冷やされるのを防ぐとともにエンジンの排熱が逃げないようにします。こたつというか温室というかそんなイメージ。

なお、素材によってはエンジンに接触すると溶けたり燃えたりするおそれがあります。また、覆いが剥がれて飛んでチェーンやホイールに引っかかると、転倒など大事故につながる危険性があります。

この方法を試す場合は、事故にならないよう、念入りに対策する必要がありそうです。

※誠に恐れ入りますが、上記の改造を行うことで故障や事故などが発生した場合でも当サイトは一切責任を負いかねます。試してみたい方は自己責任でお願いします。

おわりに

キャブヒーターを付けずにアイシングを防ぐ方法を考えてみましたが、紹介したような方法でどこまで歯が立つか不明です。

安全性にも疑問ありなので試す際には細心の注意が必要です。

熱くなりすぎて走行中に火がついたり、剥がれた部品が絡まって転倒するようなことがないとは言い切れないです。

こんなことを言うと元も子もないのですが、キャブヒーターを付けない場合、寒くて湿度の高い時間帯に乗らないのが一番のアイシング対策かもしれません。

クルマ(四輪車)を持っていたらそちらに乗ればいいですし、バイク複数持ちでFI車があればそっちで……。

どうしてもキャブレター車のYB125SPに乗らないといけないなら、やっぱりキャブヒーターを取り付けるのが無難でしょうね。

自分でやるのが不安ならバイク屋さんにお金を払って取り付けてもらうのが良さそうです。

というわけで、ほとんど意味のない考察でした。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

関連記事(※これも暇つぶしにしかならない内容です):銅板でアイシング対策ができないか試してみた

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